南極:電話のかけ方



 
Telephone & Fax

Sure, modern satellite technology makes it possible to call your mom back home while you're cruising along the front of the Ross Ice Shelf - but it will cost you. Ship communications (fax, telephone and, in some cases, electronic mail) use the INMARSAT (International Maritime Satellite), which provides reliable connections. However, there is often a significant time lag (two or three seconds) from transmission to reception, so until you get the rhythm of the delay, you will find yourself speaking over your answering party. All this can be a bit frustrating, as the meter is running at a rate of anywhere from US$12 a minute on up. (Much of this charge is in fact pure profit for the ship, since the normal charges for INMARSAT are less than US$5 per minute.)

(one paragraph omitted)

Remember to calculate carefully the time difference between your ship and the recipient of your call, who will surely better appreciate your kindness if they are not awakened at 3 am to hear about the enchanting antics of the penguins you just saw. Again, the ship's radio officer can help you to accurately determine this.

Quoted from P.69, "Antarctica", Jeff Rubin, Lonely Planet, Australia, 1996.

電話とFAX

衛星通信技術によって、ロス氷棚の前をクルージングしている南極遊覧船の中から、家で留守番をしているママに電話することも可能になった。ただし、料金は自分で払わなければならない。遊覧船の通信(FAXや電話、場合によっては電子メールも)は、インマルサット(国際海事衛星)を利用しており、途中で切れたりすることはないが、声が相手に届くまでにかなりのタイムラグ(2〜3秒)が発生する。そのため、慣れないうちは相手と声がかぶってしまうことがある。この現象には、ちょっとイライラさせられてしまう。なにせ、通話料金が最低でも12米ドル/分もするのだから。(インマルサットの利用料金は通常5米ドル/分以下だから、通話料金の大部分は、まるまる遊覧船の儲けになっている。)

(中略)

電話をかける相手と遊覧船との時差を計算するのを忘れないこと。午前3時に叩き起こされた上に、「さっきー、ペンギンさんがー、よちよち歩いててー、チョーかわいかったー」などと聞かされて喜ぶ人はいない。正確な時差がわからなければ、遊覧船の通信士に尋ねればよい。

(訳:ピンキィ君の夫)

いや〜、最近は『ワシントンの○○さ〜ん?』、『...(約3秒)はい!○○です!』なんていうのは、いっこく堂の芸ぐらいでしかお目にかかれませんね。あとは紛争当事国や秘境からの中継ぐらいですか。

NHK紅白の『あたりは一面、白白白の雪景色。白組の勝利をお祈りします 南極昭和基地』なんていうのも、昔は電報でしたけど、今や衛星電話(画像付き)になってませんでしたっけ?(なってないならないであまりのアナクロさに笑っちゃいますが)

電話代といえば、アメリカに住んでいた時、夫が一番驚いていたのは『日米間の国際電話料金が、学生時代の京都〜四国の電話料金の3分の1』ということだったようです。で、在米中に私がかけたいちば〜んくだらない電話といまだに言われているのが、『ダイアナさんが死んだ〜』という電話だったそうです。どうも、アメリカと日本では彼女の死に対する温度差があったようで(アメリカのTVや新聞・雑誌の大騒ぎぶりといったら凄かった凄かった)、今でも『あんた、あの時なに興奮してたの?』と言われてます。

私たちが渡米する直前くらいまで、日本のニュースは1日遅れの電送版新聞を取る(または日本食材店に張られているそれを見に行く)か、身内からの電話で知るぐらいしかなかったのに、私たちが渡米したあたりからインターネットの普及のおかげで下手すると日本人より早く日本のニュースが受け取れるようになってました。日本の本を買おうと思ったら、ピッツバーグから車で8時間はかかるニューヨークに行くしかなかったのに、インターネット通販で簡単に手元に届くようになったし、ほんとインターネットさまさまでした。2年早くアメリカに行ってたら、もっと苦労してたと思います。

で、この前、お台場の『船の科学館(プレゼ〜ンテッド・バイ・笹川良一)』に行ってきました。ここにあるのが日本の初代南極観測船、タロとジロも乗ったあの『宗谷』。いや、40年前の日本人はこんな船で本気で南極に行ったのね、こりゃ毎年のように氷に閉じ込められてはソ連船やアメリカ船に助けてもらってた筈だわい、と感動する大きさ。いや、小ささ。隣にある青函連絡船のほうがはるかに大きいんですよ。宗谷はある意味、日本人の英知の結集とも言える創意工夫の固まり(当時の水準で)なので、結構女性にも楽しめます。船の科学館の中で一番面白いかも。是非、一度ご覧になってくださいませ。そして40年前の日本人の男気と蛮勇に思いを馳せてくださいませ。

しっかし、船の科学館、20ン年前に行ったときには周りにはほんとに何にもなくて、品川からバスで行くのが一番近かったりしたもんですが、いや、ずいぶん開けたもんだ。その頃の船の科学館はセコくてねぇ...とあまり期待していなかったら、これが大進歩を遂げてました。『2時間ぐらいあれば余裕かな』と思っていた見学時間は4時間余りかかりました。夫かぶりつき。ほんと動きゃしない。普通の博物館では見ないようなビデオ上映もすべてチェック。4時間いてもまだもの足りなさそうでした。でも、ほんと昔に比べると展示はすげー充実してましたよ。かろうじて昔の面影を残すのはラジコンボート操作場と操舵室のみ。それもこれも、競艇にお金をつぎ込んでくれた全国のおっちゃんたちのお蔭ですねぇ。感謝感謝。


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