オーストラリア:オージー英語



 
If you're visiting Australia, and particularly if you're not from an English-speaking background, you must quickly learn to communicate in a predominantly monolingual English speaking society. You must also contend with a society which tends to use much informal language in its variety of English. It's not surprising that some of the colloquial expressions cause much confusion for those visitors who haven't encountered them before.
 
(中略)
big smoke city
(中略)
cheap as chips very cheap
(中略)
cop shop police station
(中略)
idiot box TV
on the nose very smelly
(中略)
poo tickets toilet paper
(中略)
thunderbox toilet
(中略)
piece of piss easy task
pocket billiards male adjusting his genitals
(後略)

Quoted from P.21-29, "Australian Phrasebook", Susan Butler, Lonely Planet, Australia, 1998.

オーストラリアを訪れるなら、そしてあなたが非英語圏からやって来るなら特に、英語しか使われていない社会でコミュニケーションをとるすべをすぐ身に付ける必要がある。同時に、イギリス英語やアメリカ英語とは少々違う、インフォーマルな表現が多い英語を話す社会と渡り合わなければならない。オーストラリア英語の口語表現の中には、それを知らない人が混乱してしまうようなものが少なくない。
 
オーストラリア英語 意味
(中略)
big smoke
(大きな煙)
(中略)
cheap as chips
(フィッシュ&チップス
のように安い)
とても安い
(中略)
cop shop
(お巡りさん屋)
警察署
(中略)
idiot box
(白痴箱)
テレビ
on the nose
(鼻の上にある)
とても臭い
(中略)
poo tickets
(うんち切符)
トイレットペーパー
(中略)
thunderbox
(カミナリ箱)
トイレ
(中略)
piece of piss
(おしっこ
チョビチョビ)
簡単にできること
pocket billiards
(ポケットビリヤード)
男性があそこの向きを直すこと
(後略)

(訳:ピンキィ君の夫)

はじめての英語圏旅行がオーストラリアでした。まぁ、オーストラリア訛りなんてたいしたことないだろうと思ってでかけたんですね(しゃべり担当は一緒に行く英文科卒の同僚まかせってことにしてたので)。

シドニーで、動物園がある島へ渡ろうとフェリー乗り場へ行ってチケットを買ったら、案内所のおばあさんが『イット イズ サンダイ ツダイ なんたら、かんたら』と言うではありませんか。同僚と二人で『このおばあさんは日本語がしゃべれて、”今日はこのフェリーは三台出る”と言っているのでは』などと言いつつ(空港まで迎えにきてくれたガイドさんが、日本に留学していたとかで流暢な日本語を操っていたうえに、街中で声をかけてきた、オーストラリア人の変なオヤジが”今、帰り?”なんて訊いてきたりしたもので感覚がマヒしていた)、友人が聞きなおすと、おばさんは『ノー』と首を横に振りながら、『イット イズ サンダイ ツダイ・・・』と繰り返すのです。

しばし、熟考する友人と私。すると私の脳裏に『オージーイングリッシュでは”エイ”を”アイ”と発音する』というガイドブックの一文が。

出発前にそれを読んだときは、『これって、名古屋ではみんな、みゃーみゃー言ってるとか、京都ではみんな、どす、どす、と言ってると思い込むのと同じじゃん、馬鹿らしい』と思っていたんですが、まさか目の前にその実物が出現するとは。京都の街中で舞妓さんに偶然遭遇したような感動。

結局、そのおばあさんは『今日は日曜日なのでこのフェリーは×番乗り場から出るよ』と教えてくれていたということが分かったのでした。さすがに、この『オージー訛り』もだんだん廃れているようで、他では聞くことが出来ませんでした。

ちなみに、この旅行で私がはじめて聞き取れたのがこの会話で、次に聞き取れるようになったのが『〇〇ドルです』でした。今ではアメリカにちょっと住んだおかげで、内容がわからなくても『この英語は訛りがきつい、これは教養のあるしゃべり方』などが何となくわかるようになったうえ、いわゆる四文字言葉(といっても、映画やテレビに出てくる程度のもの)は、ばっちり聞き取れるようになりました(野生の防衛本能のなせる技といわれている。実用性はまったくゼロ)。

ちなみに、オーストラリアといえば映画『レインマン』で有名になったカンタス航空。最初に乗ったときは、エコノミーの客室乗務員の全員が男性、それもオールブラックス(国は違うが)みたいなゴツいおっさんばかり。

このおっさんたちがもう最高で、いろいろ見てきた客室乗務員のなかでも最高のおもしろさ。入国審査の書類のわからないところを尋ねようとしたら全員が集まってきて、『おまえ、日本語しゃべれるか?』『いやだめだ』『おまえは?』とワイワイがやがや。ついに『オレ、ちょっとはしゃべれるかも』『よっし!トライしろ』と言われたおじさんが『ワッカリマスカ?』と聞いてきたときは、思わず『あ、すっごく、ワッカリマス』と答えてしまいました。

機内で免税品を売りに来たときなど、ワゴンを押しながら『デューティーフリー メンザ〜イ』。これが『DUTY FREE 免税』だとわかるまでしばらくかかりました。

制服もまたかわいくて好きだったなぁ。その後、2年ぐらい後にもう一度乗ったときには、サービス向上のつもりか何なのか、無愛想なネェちゃん乗務員ばかりになっていてがっかりでした。


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