米国:業界用語


今回は、アメリカ独特の単語を英語で解説した本から。つまり、イギリス人、オーストラリア人、ニュージーランド人のためのもの(出版元はオーストラリアの会社)。

全般的に、ちゃんとアメリカ英語を解説しようとしてはいるんですが(ネイティブ・アメリカンの言葉やハワイ語まで解説してある)、ときどき著者さんが暴走して『悪魔の辞典』になってしまっています。その傾向がいちばん甚だしいのが軍事と経済の分野。

Pentagon
ペンタゴン用語
across the river

向こう岸

the White House and Congress, cowering Defense Industry sugar daddies across the Potomac from the Pentagon.

若い女性にねだられると気前良く金品を与える中年オヤジのように軍需産業に肩入れするくせに、戦時には安全なところに隠れるホワイトハウスと議会のこと。ペンタゴンから見てポトマック川の向こう岸にある。

antipersonnel

対人兵器

weapons specifically designed to destroy people, not buildings

建物ではなく人体を破壊することを目的に設計された兵器

blue top

ブルートップ

a Pentagon press release

ペンタゴンのプレスリリース

broken arrow

ブロークン・アロー

a nuclear weapons accident. Aka an 'event'

核兵器の事故。単に「事象」とも呼ばれる。

civilian casualties

民間損耗

people got killed

戦争で市民が死亡すること

Code 1

コード・ワン

the President

大統領

collateral damage

コラテラル・ダメージ
(付帯被害、副次的被害)

lots of people got killed

民間人に多大な犠牲が出ること

Defense

国防

next to godliness

ほとんど信仰のようなもの

Defense spending

国防費

corporate welfare under the guise of 'national security'

「国家安全保障」の美名をまとった、企業救済のための福祉事業費

DoD

DoD

Department of Defense

国防総省の略称

Fort Fumble

ファンブル砦

the Pentagon

ペンタゴンのこと

heavy bead

重い玉

allegedly the most important and definitely the most expensive items in the defense budget

国防予算のうち、最も重要で、かつ明らかに最も高額な支出項目をこう呼ぶらしい

Indians

インディアン

support personnel to the Chiefs of Staff

参謀本部のサポートスタッフ

MAD

MAD

Mutually Assured Destruction, the prevailing theory of deterrence during the Cold War

相互確証破壊。冷戦時代に支配的だった抑止力論。

megadeth

メガデス

lots and lots and lots of people got killed. Somewhere around a million.

多くの多くの多くの市民が死亡すること(100万人ぐらい)

milicrat

ミリクラット

military bureaucrat

軍事官僚

New Dangers

新しい危機

Pentagon buzzword to justify bloated defense budgets in the post-Cold War world

冷戦終結後も国防予算を増大させることを正当化するためにペンタゴンが考案した用語

Peace Through Strength

力に支えられた平和
(軍事力こそが平和をもたらす)

a Zen koan

禅の公案(のように、信じていない人間にはまったく理解できない概念)

sanitize

消毒

to delete or severely edit a public statement or portions of a document that might compromise the Pentagon's reputation with Uncle Sugar or Joe 6-Pack (the average citizen)

政府やパンピーに対するペンタゴンの評判を落とす怖れのある公文書を破棄したり改竄したりすること

The Tank

ザ・タンク

conference room used by the Joint Chiefs of Staff. Aka 'The Gold Room'.

統合参謀本部が使う会議室。「金の間」とも呼ばれる。

Uncle Sugar

アンクルシュガー

the federal government

連邦政府

weapons system

兵器システム

a boondoggle

役立たずの細工物

(後略)

Wall Street
ウォールストリート用語
alligator spread

(ワニ)ザヤ

when commissions are more than the profit made off the deal

売買益よりも取引手数料の方が高くて損をすること

a bar

一本

a million dollars

100万ドルのこと

bear hug

ベアハッグ

when a larger company unwittingly squeezes the life out of a smaller company it has just bought

大企業が、買収したばかりの小さな企業の活力を知らず知らずのうちに削いでしまうこと。

The Big Board

ザ・ビッグボード

the New York Stock Exchange

ニューヨーク証券取引所

black book

ブラックブック

an anticipatory strike against a hostile takeover

敵対的買収に対抗するための先制攻撃

blue chip

ブルーチップ

dependable stock of an established corporation that can be counted on to maintain a high purchase price per share

高値が続くことが期待できる名門企業の優良株

Bo Dereks

ボー=デレク

bonds due to mature in the year 2010; based on the actress' character in the move 10

2010年に満期を迎える債券のこと。映画「テン」でボー=デレクが演じた役から。

boot

ブート

a cash incentive added to sweeten a deal

取引成立時の旨みを増すための報奨金

the brass ring

真鍮の指輪

partnership in the firm

証券会社の共同出資者であること

cats and dogs

キャッツ&ドッグズ

risky stocks without a proven track record

取引履歴のないリスキーな株

a Chinese Wall

チャイニーズ・ウォール
万里の長城

the biggest joke on Wall Street - a broker's written pledge that he or she will not engage in insider trading

証券ディーラーが署名する「私はインサイダー取引に手を染めません」という誓約書。ウォールストリート最大の冗談

(後略)

Quoted from P.152,153,171, "USA phrasebook", Colleen Cotter, Jim Crotty, Eagle/Walking Turtle and Albert J. Schutz, Lonely Planet, Australia, 1995.

(訳:ピンキィ君の夫)

国防の『国』ってなんなのかなぁ、と思わせる単語も多数散見されます。

え〜え、どうせ私たちなんか一銭五厘(今なら50円?おばさんに関してはタダ?)ですよ。30代後半のおばさんなんて今更、偶然にも見出されるエースパイロットにも、天才戦略家にも、マッドな博士にも、超能力者にも、国を陰から支える呪術師にも、超兵器の設計図を体内に埋め込まれた娘にもなれるわけじゃなし、せいぜい手足が吹っ飛んだ惨めな死体になって、それを目撃したエースパイロット(の才能が隠れてはいるが今は脱走しかけ)の発奮材料になるぐらいしかお役に立てんのでしょうね、多分。

いや、最近イラク攻撃が近いせいか、神奈川県央かいわいでは米軍の飛行機がうるさいんですよ。横須賀に空母が来てる時よりも段違いにうるさい。絶対おまえ飛行高度守ってねぇだろう、という低空で我が家の上を飛んでやがってうるさいうるさい。

結構騒音には慣れてんですけどね。今回はひどいよ。昔、米軍基地開放日に戦闘機が曲芸飛行してるのがうるさいと近所の住民が抗議してると聞いた観客が、『一日くらい我慢すればいいじゃないですか』と、マリーアントワネットみたいなことを言った時には近所のみんなブチキレましたね。

ええ。騒音にはそりゃ慣れてますけどね。そういわれるとね、やっぱキレます。いくら温和な私達でも。毎日飛んでんだよ、戦闘機やら輸送機やら哨戒機やら。今のうるさいのも昼間はあんまり飛ばないくせに(健康オタクのアメリカ人だから『おもいっきりテレビ』見てんじゃないか、と噂されている)、夜中に飛びやがんですよ、ここはアメリカみたいに牛やトウモロコシの上飛んでるわけじゃないんだから、もっと、高いとこ飛べ〜馬鹿〜、と叫びたい時もあります。

いっそ、超高層マンションにでも住んで、『オールカラー戦闘機総覧』とかいった本でも見ながら戦闘機ウォッチングでも楽しむしかないのかと思う今日この頃。

でも、いくら『世界中で今現在飛行中の戦闘機全体に占めるシェア』が世界一高いアメリカとはいえ、ステルス機が飛ぶわけじゃなし、フランスやイギリスやイスラエルの戦闘機が飛ぶわけじゃなし(いや、飛んだら飛んだで嫌だが)、すぐ飽きんだろうな。電車と違って最新鋭機が導入されてすぐ飛ぶような場所じゃないしなぁ、ここは(いや、飛んだら飛んでもこれも嫌だ)。

ところで、ウォールストリート関係の『ブルーチップ』って、70年代に日本で流行ったブルーチップ(妙に色っぽいリスが描いてある、お買い物するごとにもらえたスタンプ)となんか関係あるんでしょうか? あの妙に色っぽいリスの絵が、今思うとなんとなくアメリカンな感じもしたもんで。


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