北朝鮮:国際親善展覧館



 
The main centre of non-natural interest in Myohyongsan is the International Friendship Exhibition (IRE) centre, about three or four km from the railway station. It's another of those monuments to the glory of the Great Leader and, to a lesser extent, of the Dear Leader. It's a six-storey building in traditional Korean style in a magnificent setting among densely wooded hills. It houses gifts given to Kim Il-sung and Kim Jong-il from all over the world.

You need to be on your best behaviour here, as the building is officially a hallowed shrine. You must take off your hat if you have one, and shoe covers must be worn when walking around. You may be permitted to open the golden doors to the shrine, but you must put on a pair of gloves before touching the handles. During your tour, you'll be escorted by a woman in traditional Korean costume.

The list of donors reads like a roster of the dead and discredited: Stalin, Mao, Castro, Ceausescu, Honecker, Khaddafi etc. The gifts themselves are quite fascinating: a bullet-proof Zil limousine from Stalin, a luxurious train carriage from Mao Zedong, a stuffed alligator from the Sandinistas, and carvings, pottery and paintings from all over the Third World. The gifts are arranged by country and each has a note, in Korean and English, of who sent them and when. There are 120 rooms in total and it's not possible to see them all in one day.

Quoted from P.401-402, "Korea", Rebert Storey, Lonely Planet, Australia, 1997.

妙香山で自然以外に面白いものといえば、駅から3〜4Kmのところにある国際親善展覧館だ。ご他聞に漏れず、この施設もまた、「偉大なる首領様」の栄光を称え、同時に「親愛なる指導者」を少し控えめに称えるものだ。深い森の中にそびえる6階建ての壮麗な建物の中に、世界中からよせられた金日成と金正日への贈りものが収められている。

この建物は、神聖な神社という扱いになっているため、行儀良くふるまうこと。中に入る際には帽子をとり、靴カバーをつける。黄金製のドアを自分で開けることもできるが、そのときには手袋をつけなければならない。中を見て回るあいだ中ずっと、伝統衣装に身を包んだ女性がエスコートしてくれる。

寄贈者のリストを見ると、スターリン、毛沢東、カストロ、チャウシェスク、ホーネッカー、カダフィなど、まるで不名誉な死者の名簿のようだ。贈り物もなかなか魅力的で、スターリンから贈られた防弾仕様のリムジン・ジル、毛沢東から贈られた豪華な客車、ニカラグアのサンディニスタ政権から贈られたワニの剥製、第三世界の各国から贈られた彫刻・陶器・絵画などがある。贈り物は国別に分類され、いつ・誰から贈られたという説明が朝鮮語と英語の両方で添えられている。館内には120の展示室があり、全部見て回るには一日では足らない。

(訳:ピンキィ君の夫)

うわぁ、本当だ『畳の上で死ねなかった』アーンド『死後鞭打たれた』死者一覧になってる(おい、おい、どさくさに紛れてまだ存命中の人も混ざってるぞ)。
ワニの剥製
『北朝鮮事典』(内藤陽介・著 竹内書店新社・刊)P.124 から図版引用

この本、とても面白いのでお薦めです。
で、北朝鮮関係の本には必ずといっていいほど載っているこの有名なワニの剥製。幾多の北朝鮮本の著者のみならず、北朝鮮郵便関係者のハートにもヒットしたらしく、このように切手にもなってます。

これ、実際に使ったら、お盆がひっくり返るんじゃないか? とか、この灰皿を使ったらせっかくの剥製が燻製になっちゃうんじゃないか? とかの心配はさておき、この『死んでも死に切れなさ』のただよいっぷり、どこかで見たことあるなぁと思ったら、ああ、古ぼけた蕎麦屋や居酒屋によくある『信楽焼きの狸の真似をさせられている狸の剥製』だぁ。黄色い帽子と黄色い旗を持たされた『交通事故に遭って死んだ狸によってつくられた交通安全を訴える剥製(違うぞ、なんか違うぞ)』っていうのも見たような気が...

蕎麦屋や居酒屋の剥製、いくら『きちんと加工してある』『毛皮のコートや皮ジャンと同じ』『ただの置物』といわれても、食べ物を食べるところに剥製を置くセンスが嫌。これと同じだと私が思うのは『マスコット犬(or猫)のいる食べ物屋(ペット連れOKとか盲導犬OKの店ではなく、しつけの出来てないマスコット犬(or猫)と称する店主のペットが我が物顔で客にじゃれついてきたり、料理をつくっている店主の手元にじゃれついている店)』や、山中の温泉旅館に行くとよくある『玄関に剥製がある旅館』。そういうところにいくと、博物館でもないのに(博物館なら標本としての剥製は必要だと思うし、見たくなければ迂回できる)リアルな動物の毛皮を、そういうものが好きかどうかわからない他人(それも相手はサービスを提供してお金を貰う客なのだ)の目の前に突きつける神経がもうそれだけで『ここでこまやかなサービスは受けられないなぁ』とげんなりしてしまいます。

ああっ、思いっきり脱線してしまいました。いや、実をいうと昔勤めていた職場では結婚する女性社員がいると『額装したA3判の手作りのちぎり絵(それもカルチャーセンターの授業でつくったもの)』をくれるパートさんや、『自慢のカメラで撮ったA4判に引き伸ばして額装した芸術写真(何のへんてつもない青空の片隅にほんのちらりと桜がカケラが写っている、どーみても、シロウトには判らない写真)』をくれるおじさん、『虫がわく山葡萄or藤細工(それも山仕事のお爺さんが担ぐような大きな籠)』をくれる上司夫人などがいて、結婚をひかえた女性達を『結婚はうれしいけど、あの人たちが何をくれるのか』と恐怖のどん底に叩き落していたものですから(貰ったその日にそれらをバラバラにして、目立たぬようにあちこちのゴミ捨て場に捨てるのがひとつの儀式になっていました。それでも新婚旅行のお土産は他の人よりいいものをあげないと怒るんだ、そういう人たちは。んで、カルチャーセンターで『会社の子の結婚祝などにあげて喜ばれているのよ。結構役に立ってるんだから』なんていったりするんだ、こういう人は。だれも『くれ』っていってないぞ)。その3人に嫌われていた私はどの『プレゼント』ももらえず、みんなから『すげ〜、ラッキー』とうらやましがられたものです(喜んでいいのか悪いのか...)。


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