冷戦真っ只中の旧ソ連にも闇ドル買いはいたし、コカコーラはカッコ好い飲み物だったし、ジーンズは高値で取引されていたし、みんなビートルズを知っていたぐらいですから、北朝鮮で英国ロイヤルファミリーが英本国以上に人気があっても全然不思議ではないような気もしますが、一番大きなサイズの切手に肖像がかかれているであろう『偉大なるお父様』と『親愛なるご子息』以外の権力者の肖像を喜んで買い求めるなんてことが許されるわけもないような（それも闇商売ではなく堂々とした有価証券で）気がする。まさか、国家反逆者を見分ける踏絵？ じゃなきゃ、この著者、国際的偽造切手工場に紛れ込んだとか（落合信彦か）。

もしかすると、北朝鮮ではヨーロッパからの情報の流れぐあいがどうにかなっていて、英国ロイヤルファミリーというのは英国で人気の芸能一家（高嶋ファミリーやニ子山ファミリーみたいな）と間違えちゃったとか？

なんせ、さすがヘンリー八世の血を引く（めちゃめちゃ遠いが）英国王室の女王陛下とそのご家族。息子や娘、それから妹まで、すべて離婚経験者の上、不倫の噂のない身内はゼロ（女王陛下の母上を除く）。イギリス名物（と思ってる３０代女性は多いと思う。反勢力として『いや、ドイツのギムナジウムのほうがやはり』という一派もいるが）同性愛者がいなかったのは彩りに欠けるが、長男とその嫁にいたっては、普通の新聞への登場回数より、世界中のイエローペーパーおよび芸能雑誌への登場回数のほうが多い始末。これでは北朝鮮の郵政省が『欧米で人気のスキャンダラスな芸能一家』と思い込んでも無理はないかも（あくまでも憶測ですよ、憶測）。

まぁ、日本の切手も時々謎の図案があって、極めつけは去年から出ている『20世紀デザイン切手』。かなり無茶というか、なんというか、まぁ、２０世紀を振り返るのはいいんですが、年の区切りが変というか、そんなとこで区切ってどんな意味があるのか？と思うのですが。それから何が嫌って『ヤマト』や『ガンダム』が入ってること。なんか、郵政省のお役人様が『ここらへん入れときゃあ、オタクが "とりあえずゲットでしょ！１０シート買っといて、５シートは保存用" とかいってたくさん買うだろうから大儲け』とでも思っていそうなのが透けて見えて嫌（実はこの二つに特別に思い入れがあるお役人さまかも知れませんが）。こんな遠まわしなことをするなら、いっそ『２０世紀のアニメシリーズ』や『２０世紀の漫画シリーズ』でも出しゃいいのに。それこそ偽造品も出るぐらいの大人気になると思うぞ。選択ミスをするとえらいことになるかもしれないけど。