日々是口実 1999年1月〜3月
(上の方が新しい出来事です)
某月某日
夫の買ってきた雑誌より発見。モー帝国の海底科学が生んだ人型兵器、その名は牛野田マークII。くらえ!! 乳首ビーム16連射/秒。
某月某日
久しぶりに夫の実家に帰ったところ、新しいペットが増えていた。
彼女は烏骨鶏のピー子、門扉のない庭で放し飼いにされている。彼女と先住者の雑種犬ボッチは互いに微妙な距離を保ちながら共存している。
遠くから『ピーちゃん、おいで』と呼ぶと『コッ!』と返事をしてからコッコッコッとやってくる。彼女を無視して犬と遊んでいると、『かまえ』とばかりに嘴でつついてくる。手触りは鶏っぽくなく、お座敷犬のよう。目つきも鶏っぽくないので、鳥嫌いの私でもOK。しかし、トイレのしつけが出来ないので、室内では飼えないとのこと。いや、室内で飼われても困るんですが。
夫の実家のトイレは落下式だったのだが、私が夫と結婚する直前に簡易水洗式に改造されたらしい。始めてこのトイレに入ったとき目についた謎の装置。
トイレの中で考えること数分。なんだ、これ? このボタンを押すと... ふんふん水が流れるのね。水の勢いが弱いのは、ここが高台だからかな。水が白っぽいのはもしかして上水道を使ってないからかな。で、このピストルみたいなのは、なに? ...あっ! ウォシュレットかぁ。でも、お義父さんもお義母さんもこれ使ってる訳でしょう... 使うのやーめよっと。温度設定がないけど田舎の人は冷たくても平気なのね。と思いながらトイレから出ました。
そして夫に『ねぇー、お義父さん達、ケチって安いウォシュレットにしたの?』と聞いたところ、『どこにそんなものがあった』と聞くので、これこれこういうものと話したところ『使わなくて正解だよ、あれ便器の汚れを落とすものだよ...』。簡易水洗で流れてくる白い水は薬剤で、便器にこびりついた汚れはこのピストルから出るジェット水流で落とすんだそうです。後で試してみて、その勢いの凄さ(新聞紙なら5枚重ねでも穴が空きそう)に背筋が凍りました。
当地のスーパーで見かけた枕のように大きな雛あられの袋(700グラム入り)。横の黒い物体は私の手なので比較していただくと良く分かると思います。
すぐ隣には、やはり大きな袋に入った水飴とピーナッツが。ここいらの一般家庭では、雛あられに水飴とピーナッツをからめておこしを作るそうです。しかし、こんなに投げやりな売り方をされている雛あられは始めて見た。
夫の母校にある記念碑。あなたの心には何が残りましたか?
親不知が頬を噛むので、抜いてもらいに行き付けの歯医者に行ったところ、『これはウチでは無理です』と、近くの大学病院を紹介されてしまった。
翌週、その大学病院へ。口腔外科というだけあって、あまり痛くもない親不知を抜きに来たような呑気者は少ない。『○○さんは△△でいらしたのね』と漏れ聞く症状を聞くだけで自分の幸せを噛み締める。
私の番が来た。縦に二つに断ち割ってから半分づつ抜くという。担当は女の先生。私が男だったらうれしいところだが、力が足りないのか、なかなか抜けない。さっきから診察室を所在無げにウロウロして、人のカルテを覗いては『ほぉ、旦那さん、○○にお勤めなの。△△先生(担当の女医さん)ねぇ、あそこの病院一度行ってみるといいよ』などと、担当でもないのに馴れ馴れしく話し掛けてきていたピンクのYシャツ姿(こいつだけ白衣もマスクもしていなかった)のオヤジが、ゴム手袋をして『どれ、僕が抜いてあげよう。レントゲンを2メートル離れて見ても分かるぐらい抜きにくそうな歯だったもんね』と近づいてきて歯を抜き始めた。『ゴキッ!!』という音とともに歯が折れる。『あ、ごめんねー、折れちゃったぁ。でも、もうちょっとだからねー』。バカヤロー、あごに思いっきり何かがぶちあたったぞぉ。あとで聞いたところ、あのオヤジはここの主任教授だったらしい...
バカヤローが折った歯。
麻酔が切れてもそれほど強烈な痛みがなかったので『痛み止めを飲まなくてもOKかも』と思ったが、食事をしようと口を開けた時だけ、二針縫った歯茎が攣れて激痛が走る(黒い糸で、まるで繕いもののようにサクサクっと縫ってあるんだこれが。口を開けてみると、この黒糸がフランケンシュタイン・テイストで不気味)。あごの関節も痛む(多分バカヤローが歯を抜いた時、思いっきりこじ開けたからだろう)。『よしっ!!このままダイエットだぁ』とも思ったが、化膿止めを飲むためには食事をしなければならない(食後に服用せよとの注意書きがあった)ことに気がつく。歯茎が腐るのは嫌だ。でも痛いのも嫌だ。
そこで痛み止めを飲んで、効いた頃を見計らって食事をすることにする。他の時に多少痛んでも、食事時に使うため痛み止めを我慢する。私は気持ち良いぐらい麻酔や痛み止めが効く体質なので助かる(薬が切れる瞬間もはっきり分かる)。姉も歯の治療をしているのだが、胃を悪くするほど痛み止めを飲んでも効かなくて、七転八倒しているらしい。
1週間後、もしかしたら一生続くんじゃないかと思った痛みも消え、抜糸も済んだ。後にはぼっこり開いた抜歯の跡と、糸が通っていた穴が残っている。うっかりピーナッツを食べたら抜歯の跡の穴に入り込んで取れなくて困った。
これから行き付けの歯医者で虫歯の治療を始めるのだが、担当の医師(男)が、マスクをしているにもかかわらずイイ男でないので、通院を続ける気力が続くか心配。その歯医者には、とても患者の口に入りそうもない、グローブのような手の先生もいる。この歯医者はどういう基準で医師を採用してるんだろう? 院長はマスク美男なのに。
某月某日
四谷で父の法事。乳幼児が多数参加しているため、お焼香が終わったとたん、彼らがぐずり出すのを警戒した住職のお経がとんでもなくアップテンポになる。このお寺のお経は短いので親戚縁者から大好評だが、今日は特に短い。夫は『正座に自信が持てた』と言っていたが、ここのお経で自信を持つとえらい目にあうと思う。ちなみに母の実家(神戸)の菩提寺は鉄筋コンクリート打ちっぱなし5階建て、御本尊が電気仕掛けで回転しながらせり出て来るというもので、最初に見た時は笑いが止まらなかった。ここはお経は長いが、椅子席なので安心。
その後、お寺の近くのお寿司屋さんに移動して食事。法事が始まる前から『お寿司!お寿司!お・す・しぃ!!』と叫び踊り狂っていた甥っ子2号(姉の子、5歳)と、『イクラが欲しいの』と他のネタに興味を示さない姪っ子2号(妹の子、3歳)、メロンを頂く甥っ子4号(妹の子、3ケ月)を見て、幼児教育の必要性を痛感する。ハングリー精神に溢れ、お寿司を食べたいがために出世して行くのは甥っ子2号だな、きっと。
母の連絡ミスで法事に間に合わず、お寿司屋さんに直行してきた私の従兄(50代)が20歳頃に半年ほどサンフランシスコへ武者修行に行った時の話をしてくれた。いたいけな日本人青年の彼は、ある日『僕の部屋で飲まない?』とのアメリカ人の誘いに『親切な人だなぁ』とついていったそうな。ところが、当時のサンフランシスコはヒッピームーブメントとゲイカルチャーの真っ盛り、『迫られちゃって大変だった』そうです。そこで、母が一言『せっかくだから、お味見してみれば良かったのに』。すかさず従姉も『ねーえ』と相槌。うーん、私も感想など聞いてみたかったかも。従兄は『そんなこと言われても』と絶句していました。下ネタ話は法事につきものですが(えっ?よそは違うの?)、普通はおじさんが女性に言うものなんだがなぁ〜
その帰り、『お腹が空いた』と言う夫を連れてお気に入りの新宿・ファンシー小島屋(ここのミックスサンドが私の大好物。パンの硬さと、具の潔さがなつかしの味)に行く。隣のテーブルには、やけにうるさい関西弁をしゃべるおじさんと、おとなしげな青年。最初は出張にでも来たおじさんと部下かと思っていたが、『手塚先生が』とか『差別表現やゆわれて削除されて』といったフレーズは聞こえてくるし、相手の青年はテープを回しながらメモを取っている。ああ、これがインタビューというものか、と夫と会話を交わしつつ耳をすませる。おじさんは京都の出版社の人で、絶版になった手塚作品が京都新聞のマイクロフィルムに残っているのを復刻して出版しようとしているらしい。外見といい話し方といい、ちょっとうさんくさげだが、多分こういう業界の人はこういうもんなんだろうと納得する。青年がテープを新しいのに入れ替えたのを見て、『長いこと喋り過ぎてしもたなぁ』と話は終わった。もうちょっと早く来とけばもっと面白い話が聞けたかも。
某月某日
ファッションビルの1階、それも道路を隔てた隣には交番がある『灯台もと暗し』なロケーションで『大麻商品』を売るのは結構有名なボディケア用品の店。店先には、あやしげなお香! これが大麻商品か!?と思ったんですが、実はその反対側に並んでいたバッグやポーチが麻の繊維で出来ているのを『大麻商品』と呼んでいるようです。もしかして、若者受けを狙って、わざと『アブナイ』いいかたをしているのかも。最近の若いもんは『アブナイ』もん好きだからなぁ。店員(売人?)も『大麻』柄のジャケットを着てガンガン『大麻商品』を売っておりました。
謎の宗教行事『バレンタン』器具発売中。神奈川県央地区では『バレンタン』の日にチョコレートを蒔き、五穀豊穣を祈願し、『バレンタン器具』を持った早乙女が西川峰子のヒット曲を熱唱しながら下駄箱前や校門前で踊り狂います(嘘)。
普通こういう場合『器具』ではなくて『用品』もしくは『用具』と書くもんですが。器具ねぇ、『医療器具』とか『調理器具』とかいうから『バレンタイン器具』でも間違いじゃないんですが、硬いなぁ。なんかなげやりな感じが伝わってきますね。
成人式かぁ、フッ、そんな頃もあったわねぇ(遠い目)。振り袖を拒否して当日は洋服を着ましたが、『映画をおごってあげよう』という親に騙されて(小学生レベルの騙され方。ちなみに映画は『E.T.』だった。年がばれるな)貸し衣装屋に連れ込まれた挙げ句、『写真だけでも撮りなさい』という説得に負けてふくれっつらで2月頃に着物姿の写真を撮影しました。今思うと、写真撮っといて良かったなと思います。どうせなら、もうちょっと良い顔して撮っとけば良かったな。
大人になるところとしては、昔は『吉原』、『州崎』などがあったようですが、それは男性用。女性の場合、『ふと気がつくと少女は大人に』なっていたりしていたんですけど、今や小学生が『今年こそアニエスの定番をバーゲンでゲット!!』してたりするんで油断なりません。そこで日本の秩序、もとい神奈川県央の秩序を護るため立ち上がったのが平塚競輪。個人的には『まくれ!まくれ!』と叫ぶおっさんと一緒にオトナになるのはちょっと... 母に言わせると『公営ギャンブルは、機械が関われば関わるほど客のガラが悪くなる』んだそうです。つまり、競馬→競輪→ボート→オートの順に悪くなるらしいです。うちの祖父(母の父)は全部行ってたような気がするなぁ。
某月某日
秋葉原・石丸電気のレーザーディスク売り場にて。
ああっ、山口百恵が演歌コーナーに!! 確かに曲のタイトルだけ見ると『愛の嵐』、『秋桜』、『曼珠沙華』だのと演歌のエキスたっぷりですし、引退コンサートの衣装は最後の一着を除き、『一体誰がコーディネートしたんだぁ』という八代亜紀もびっくりの演歌調衣装ばかりだったったんで、何も知らない若い店員さん(引退したの20年前だもんなぁ)が『演歌』のコーナーに入れちゃうのも無理は無いんですけど、一応『スーパースター』、『菩薩』と呼ばれた人なんですから、基本として押さえておくべきなんじゃないかと思うんですが。このままうっかりしていると西城秀樹あたりも『演歌』にされちゃうんじゃないんでしょうか。
まったく関係ないんですが、最近、2曲目がメジャーになるまで、どっちが曲名かグループ名だか判らないミュージシャンが多いような気がしますけど、皆さんはちゃんと判別できます?