さらばピッツバーグ

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日本に帰ることになりました。例によって今回もまた突然の決定。というわけで、引越しです。

我が家の愛車『ベル号』名前の由来はナンバープレート総走行距離8万マイルちょっと

我が家の米国でのレジャー(というか移動)を支えてきた91年型アコード、通称『ベル号』。今までの行き先はというと北はクリーブランド、エリー湖。東はワシントンD.C.。西はコロンバス。近くは半ブロック先のジャイアントイーグル(スーパーです)から、遠くはニューヨークまで。

おかげで鹿ははねるわ、トランスミッションが壊れて幹線道路の真ん中で立ち往生するわで、レッカー車で帰ること2回。いちおう事故車なもんで、ガレージセールで何も知らない人に売るのも気がひけて、タダ同然の値段でディーラーに売ることを決意していたところ、ガレージセールに出した我が家の電気製品を買ってくれた米国人のおばさんが『ところで、帰国するならクルマもいらないんでしょ。売る気はない?』と言ってきました。

このおばさん、買いたい家電品を下見しに我が家へ来たとき、目についたもの殆ど全部(売るつもりはなかった物)に対して『これも売らない? 知り合いの(または親戚の)誰々が欲しがってたの(または欲しがるだろう)』と、ジャパニーズライスクッカー(炊飯器)やパソコン、電話機、果てはゴミ箱やバケツにまで食指を伸ばしてきた人です。

で、ベル号はこのおばさんに$2000(走行距離8万マイルの7年落ちとは言え、エンジン以外の主要な部品はどれも交換して1年以内の新品です。でも、車検切れ寸前。鹿をはねた事故車であることはちゃんと言って、おばさんもボンネットを開けて機械を確認して、試乗して購入を決めた)で買われていったのですが、実際に乗るのは息子さんのお嫁さんで、息子さんが受け取りに来て乗って帰るとのこと。夫がなにげなく『ところで、息子さんはどこに住んでいるの』と聞いたところ、『フロリダよ、クルマを持って帰るのは2日がかりになるわね』とのこと。ああっ、ピッツバーグで天寿を全うすると思っていたベル号は、数奇な運命にもて遊ばれるまま、暖かい南の地で余生を送ることになってしまいました。ディズニーワールドやユニバーサルスタジオにも連れてってもらえよ〜。

余談ですが、持って帰るほどでもないビデオソフトをアパートのゴミ捨て場に捨てて、1時間後に再びゴミを捨てに行ったら、テープは8割がた無くなっていました。そして、残り2割を抱えて立ち去ろうとしているおばさんが。『いいビデオがたくさん捨ててあったのよ。子どもが喜ぶわ』っておい、『エルム街の悪夢』や『13日の金曜日』『スピーシーズ』は子どもにいいとは思わないケド。

さて、引越しの準備です。まずはレンタル家具を引き取りに来てもらうために、リビングルームを掃除。こんなにきれいになったのは、入居直後以来。

炊飯器、我が家に来てはじめてフル稼動(5.5合炊き)するの図。明日は運送屋さんが荷物(当然、炊飯器も含む)を取りに来るというのに、お米が余ってしまいました。お米を無駄にするなと言われた世代なので、少しでも無駄にするのを減らそうと目一杯炊いて食べることに。食料を無駄にしない様に調整したのに、食べきれるかどうか考えもしないで缶詰やせんべいを直前に買い込んだ馬鹿が若干1名いたせいです。食べきれなかった缶詰やせんべいは、車を買ってくれたおばさんに進呈しましたが、全く〜。

4日間の平均睡眠時間、約3時間(馬鹿は徹夜一回含む)で詰めた段ボール40個分の荷物。日本の我が家に収まりきるのか?

メインパソコンも段ボールに詰めて送るので、船便が日本の我が家に到着するまで代役を務めることになった夫のオモチャ ThinkPad 701、通称『バタフライ』。ワシントンD.C.近郊の中古パソコン屋で、$600で買われて来ました。はっきり言ってキーボードがこうでなかったら私は購入に賛成しなかった。からくりものに弱いんです私。

今(8/16)はダイニングテーブルの上にあって、食事のたびに私に邪険に扱われています(なんでテーブルの真ん中に偉そうに乗っている!!)。

荷物の搬出も無事終わり、お土産物を買いに近くのショッピングモールへ行ったところ、巨大なブルースブラザーズ人形が。腹話術人形としてでも使うのか? 値段は定価の半額近くになっていて約$70。ちなみに人間スケールとなっているのは私の足です。短くて太いですね。

さて、出発前日。ピッツバーグでの最後の夕食は何にしようかと悩んだ末、近所の中東系デリ『オープンフレーム』へ。シシカバブとジャイロが主なメニューです(金城武主演の『恋する惑星』のビデオの箱には、女の子が勤めている店はハンバーガーショップだと書いてあるが、あれは多分こういう店だぞ。ジャイロを焼く器具が見えていたし)。

店内の煤けっぷりと、発色が限界まできているガチャガチャ式の14型テレビが郷愁を誘います。店主のおっちゃんのいかにも『女泣かしてきました』顔がナイス。しょっちゅう行ってたもんで、夫は顔を覚えられてました。最初は『ピッツバーグのオリンピアレストラン(ギリシャなんとかというメニューがあったので)』なんて言ってたんですが、おっちゃんの国籍が不明なので結局『ピッツバーグの一貫楼(神戸にいる私の叔父の店の名。煤けっぷりと狭さがそっくり)』に。

ジャイロとシシカバブの両方を注文したところ、『あー、悪いね、もうグリルは片づけちゃったんで、どちらもできないんだ』。そう言えば、もう閉店時間直前。夫が『実は明日、国に帰るんだ。ここの食べ物が気に入っているんで、ピッツバーグ最後の夕食にしたかったんだけど』と言ったところ、落とした火をまた点けてシシカバブとジャイロを作ってくれたうえに、大盛りにしてくれました。シシカバブがおいしかったり、ジャイロがおいしかったり、出来がどっちかに偏る傾向はあったけどおいしかったです。ごはんは豆ご飯じゃ無い方が好きだったな。

ピッツバーグで見る最後の夕日。いい経験させてもらいました。

そしてとうとう飛行機で帰国の旅へ。ピッツバーグからは日本への直行便がないので、熱波襲来中のダラス経由です。そこのお土産物屋で買ったTシャツ。ちょっと見、トミーヒルフィガーもどき。これを着てサティで買い物をしていると結構振り向かれる。あっ、それはおばさんが、無理な若作りをしているからか。

しかし、日本ってなんでもある国だなぁ。マドレーヌ人形も、おさるのじょーじグッズもありやんの。値段もすごく手頃だし。気に入ってデパートで買ったミカサの食器なんかさ、帰国したらダイエーでセールになってて半額くらいで売ってやんの。帰国して一番ショックだったことですね。


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