博士
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アストロ球団

助手
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助手 博士、博士、ちょっとお伺いしたいことが...

博士 うむ、なんじゃね?

助手 いやー、NBAも佳境に入ってきましたね。

博士 ああ、そうかね。もうそういう時期かね。

助手 ところで博士、NBAの選手達を見て不思議だとお思いになりませんか?

博士 何がじゃね?

助手 人種構成です。我が合衆国で人気の高い他のスポーツ、例えばアメリカン フットボールや野球、アイスホッケーなどに比べると、黒人選手の比率が とても高いではありませんか。

博士 そういえばそうじゃな。

助手 チームによっては先発全員が黒人だということも珍しくありません。 これは他のスポーツでは見られないことです。 どうしてバスケットボールに限ってこうなんでしょうか。

博士 べつに珍しくはないぞ。スモウレスラーの9割はニッポン人じゃ。

助手 バスケットはそんなローカルなスポーツではありません。 NBAの有名選手の名前がついただけの靴が高額で取り引きされ、 大量のパチモンさえ作られたことがあるぐらいメジャーなスポーツです。

博士 うむ、昔わしも月星の『ウルトラセブン』の靴が欲しくて 親にねだったところ『ウルトラマンセブン』という靴を 買い与えられて悔しい思いをしたもんじゃ。

助手 それはともかくですね、NBAの黒人比率の高さには 何か隠された理由があるのではないかと思って先日から考えているのですが、 どうもよくわかりません。そこで博士のお知恵をお借りできないものかと思いまして。

博士 ふん、君は『アストロ球団』というニッポンの因果応報ものマンガを 知っておるかね。

助手 名前だけは存じております。

博士 では、君はストーリーは知らないのじゃな。

助手 ええ、まったく。

博士 では説明してやろう。こういうハナシじゃ。

助手 なるほど、『アストロ球団』そのものについてはよくわかりました。 ありがとうございます。 しかし、博士。この『アストロ球団』とNBAに どういう関係があるのかが今ひとつ見えません。

博士 ふーむ、ここまで言ってまだ分からぬかね。

助手 はい、お恥ずかしい限りですが。

博士 『超人』じゃよ。

助手 はあ?

博士 さっきも話したとおり、9人のアストロ超人には野球のボール型のアザが身体のどこかにあるのじゃ。 そして、光り輝く硬球を持っておる。その球を光にかざすと 『仁』『義』『礼』『智』『忠』『信』『孝』『悌』『補欠』の文字が浮かびあがるのじゃ。

助手 はい。

博士 実はな、NBAにも『超人』の伝説があるのじゃ。これはまだ公けにはなって おらぬがな。

助手 え? ちょっと信じられません。

博士 うむ、ワシも100%信じておるわけではないし、この伝説を知るNBA関係者も 同じ気持ちじゃ。じゃがな、かといって100%否定できる証拠もないのじゃ。つまり、合衆国にバスケット超人はいるかもしれぬし、おらぬかもしれぬ。そんなものは嘘だと一笑に付すのは簡単じゃ。 しかし、もし実在したらどうする。超人の存在を信じず何も手を打たずにいるうちに、 いつの間にかライバルチームが超人をずらっと揃えてしまったら。

助手 向こう30年ぐらい毎年ファイナルを制しちゃうかもしれませんね。

博士 そうなったら他のチームにとっては死活問題じゃろう。じゃから各チームのオーナー達は、半信半疑ながらも、 超人である可能性が高い選手を入団させているのじゃよ。

助手 可能性が高い、って博士、超人にはアザがあるのですから、 超人かそうでないかは見ただけですぐに判りそうなもので・・・ あ、肌が黒いとアザがわかりにくい、ということなんですね。 だから黒人ばかり入団させている、と。

博士 いや、そうではないぞ。バスケット超人にはボール型のアザはないのじゃ。

助手 へ? いや、博士。つい先ほど博士自身が超人にはアザがある、 とおっしゃったばかりです。

博士 誰がボール型のアザだと言ったのかね。 確かに野球のアストロ超人にはボール型のアザがある。 しかしじゃな、バスケット超人のアザはボール型ではないのじゃ。

助手 では、いったい・・・

博士 実物大のバスケットコート型のアザじゃ。 つまり身体からはみ出してしまって全身が黒く見えるというわけじゃな。これがNBAに黒人選手が多い理由じゃよ。

助手 ...ありがとうございました、博士。

博士 うむ、わからないことがあったら何でもワシに尋ねに来たまえ。


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