日本の歩き方

ビジネス慣用表現


今の日本、えらい事になっています。求人広告を見て『英語力要、パソコンできる方、なんて書いてあるけど、こんなちっぽけな零細企業で何カッコつけてんだか。それにパート募集でしょう?』なんて舐めて応募すると、『ああ、うちの主力工場は中国でね、そことの連絡はぜんぶ英語。自動倉庫の管理はエクセルでやってるし、伝票はワード、営業はパワーポイントでプレゼンテーションするから、それの手伝いもやってもらわないとね』なんてことになってます。

昔は、『プログラマーはプログラミング言語のキーワードさえ知ってりゃOK』なんて言ってました(本当は原書にあたって勉強したほうがいいに決まってるんですが、下っ端プログラマーやSEはそれで良しとされていた)が、最近では『この人が今回のシステム構築を一緒にやることになった、サチャさん。みんな仲良くしてあげて。インドの人だから、コミュニケーションは英語でOKだよ』とか言われて気が抜けないそうです。

いや、仕事以外でも、友達の家を訪ねるつもりが、うっかり部屋番号を間違えたら、とりあえず英語で謝んなきゃならないシュチュエーションに陥ったり(昔、友達が住んでいるアパートと間違えて、違うアパートを訪問してしまったことがありまして、ドアをノックしたところ、出てきたのがアジアのどこかの異国の方だったという経験あり。そこの部屋、『ギネスに挑戦!! 6畳一間に何人入れるか』に挑戦中みたいなお宅でびびりました)とか、台所と風呂の両方を掃除できる洗剤はどれか、と街なかの薬局でいきなり英語で尋ねられたり、と、最近は日常生活の中にも地雷が一杯で気が抜けません。特に私がアメリカに住んでいたのを知っている人と一緒の時なんか、針の筵状態。いや、かろうじて生きてただけです本当に。お願い、こっちを見ないで。

いや、話がそれてしまいました。

ということで、日本で(または日本人と一緒に)仕事をすることになったアメリカ人ビジネスマンのためのビジネス会話集から。現在の日本の経済状態をリアルに反映した、とっても実用的な会話集です。心臓の弱い方にはお勧めしません。あと『おれ、英語強いから』というワンマン経営者の方も聞かないほうが良いかも。

では、 この音声ファイル をお聴きください。

Quoted from the supplemental CD-ROM of "In the Know in JAPAN", Jennifer Phillips, Terra Cognita, USA, 2003.

いきなり行き詰まってます、この会社。

絶妙な構成のせいで、ごく普通の『ビジネス慣用句』さえも、会社の危機に右往左往する社員の会話に聞こえてきます。冷静に『会社は倒産してしまいました』とか言われてもなぁ(まぁ、こういうCDで感情込められても笑っちゃいますが)。

いや、それより何より、釘を熱いうちに打ったら曲がって潰れちゃうって。


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