日本の歩き方

某合併予定自治体


『平成大合併』の嵐が夫の故郷付近にも吹き荒れておりました。

合併騒ぎが起こるまで曖昧ながらも感じていた、近隣の街との力関係などをはっきり目の前に突きつけられたり、実力(ここでは税収)があって強気な自治体や実力もないのに強気な自治体などもあって、まるで成立しなかった見合いの後のように相手の欠点探しやら、負け惜しみにしか聴こえない(そして見合いをした本人の傷は深く抉ってくれる)慰めの声などが飛び交い、結構愉快なことになっているそうです。

で、とりあえず、名前だけでも決めとけば退路は絶てるだろうということか、こういうことが始まっています。

『名前ぐらいは広く民草の声を聞いてやろうじゃないか』という、やさしいお役人様の思し召しで、名前は一般公募することなったようです。
 
で、応募者の内訳はこんな感じに。
『若い感性でフレッシュなネーミングを』とか『未来を担う青少年による斬新な名前を』と思って、学校に応募用紙を置いたものと思われます。ロングホームルームの議題の枯渇に悩んだ先生も飛びついたかもしれません(社会科もとい生活科や地理の先生も飛びついたかもしれません)。

ところが斬新な感性が(いや、中には老練な感性も混ざっているかもしれませんが)黙っているわけがありません。もう、大暴走を始めています(いや、マジならちょっとこの町の将来がちょっと心配ですけど)。

 
え〜、みかんの名産地なもんで、こんなことに。

中には暴走族変換なものもありますが、まぁ、ご愛嬌ということで。まぁ、トマト銀行なんてのもあったぐらいだから、『まぁ、かわいい』と言ってもらえるかもしれませんが、将来、上京して結婚でも決まりそうになった時、彼氏または彼女に出身地を告白するのに凄く勇気がいりそうな気が...

で、ここのもうひとつの名産がこれ。

  
果物の名前より、こっちのほうがまともに見えてしまうのは、なぜなんでしょう?

名産同士のあわせ技もあります

      
ここまでくると、ちょっと投げやり感が漂ってきます。

上の2件が小学生低学年だとすると、これは中学生が先生に『いいか〜、一人一件ノルマだぞ〜、ただしっ!みんなの独創性を信じて、先生、眼は通すけど添削はしません!』とか言われたのを逆手に取って提出した匂いが。

ちなみにじゃこ天は、このあたりの名産の、さつま揚げのようなの食べ物です。ダイエーの練り物コーナーでも売っています。揚げ直して饂飩などのトッピングにしたり、そのまま食べると美味しいです。

     
下に『市』をつけると完成する、連歌系というか駄洒落系。

最初『鶴ならともかく、猫?』と不思議だったんですが、宮崎アニメが出典のようです。ここにも青少年の匂いが。

最後に、何故こんな名前が出来たのか?というか、ここまで何でもありなら、是非この名前に決まって欲しいなぁ、と思ったのがこれ。

東京デトロイト市。ここまで突き抜けると、かえって愉快なので、是非。


[追記] (2004/08/02)

先週、新市名が決定しました。結局、規模が大きいほうの自治体の名前をそのまま使うことになったそうです。

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