日本の歩き方

富士山


またまたアメリカン航空の機内誌から。
 


Quoted from P.26, "American Way - March 1, 2006", USA.

その山は、完璧すぎるとも言える整った形状をしており、麓のどの方向から見ても稜線がすっと空に延び、また、山頂は尖っておらず噴火口の平らな縁を戴いている。

枯山水の侘び寂びの精神にも似た左右対称の印象的な姿は日本人にこの山を深く崇敬させ、 まるで尊敬すべき人物であるかのごとく「富士さん」と敬称をつけて呼ばれている。

またこの山は世界で一番、見覚えのある山だとも言われる。殆どの人は、改めて見てみなくとも、どんな形をしているのか知っているのだ。

19世紀の高名な木版画師・葛飾北斎は富士山の美しい姿に心奪われ、各地から見た四季おりおりの富士山を、その土地土地の描写とともに数多く描いた。その「冨嶽三十六景」は、北斎の生涯を通じての代表作となった。

また富士山に向けられる崇敬のゆえに、日本人にとって富士山に登ることは単なるレクリエーションではなく、ある種の巡礼にも等しい。

(訳:ピンキィ君の夫)

じゃあ、阿蘇さんは? 筑波さんは? 男体さんは? とか言っちゃうときりがありませんが...

こういう誤解を防止しようと気を利かせて 『フジヤマ』 という日本では誰も使っちゃいない呼び名をわざと海外に広めた日本人(か、日本のことを本当によく理解していたガイジンさん)が昔いたんじゃないか、と夫が言っております。夫といっしょに仕事をするまで日本人と接したことがなかったようなガイジンさんでも、『ハ〜イ、○○サ〜ン、グッモーニン』みたいな使い方はすぐに覚えてしまうそうです。

それから、富士山が日本人に深く愛されているということの証しとしては、『さん付けで呼ばれている』とかいう怪しいものなんかより、どこの山にでも(ちょっとでも見た目が似ていたら)『○○富士』と名付けちゃうことのほうが適切じゃないでしょうか。日本全国いや、世界各地(特に戦前戦中)日本人いるところ富士ありって感じで、かなり無理めの山も○○富士と呼ばれてたりします。昔、私が住んでいた近くにも『近江富士』っていうのがありまして、小学校の校歌にも、ばっちり歌いこまれ、地元民は『俵藤太のむかで退治』とセットで覚えるんですが、今見ると、きれいな山だけど富士山には見えないよなぁ。

全然話は違うんですが、この前NHKの『サラリーマンNEO』(新シリーズはオープニングがつまらんぞ)でもやっていた『”奥”さん』問題。私は夫の知り合いや店員さんに『奥さん』って呼ばれても平気ですが、電話セールスの人に『奥様でいらっしゃいますか?』と聞かれると、『ウチにはそんなご大層なものは居ねぇなぁ』と思っちゃうんで、つい『違います』と答えて電話を切る....という話じゃなくて、昔、働いていた頃、職場に夫が電話をかけてきたんです(まだ携帯が一般に普及してなかった時代)。で、電話のそばにいた新人君が取ってくれたんですけど、どうも夫は『山田(仮名)ですが、家内おりますでしょうか?』と言ったらしいんですね。そこで新人君、職場中に響き渡る大きな声で(私は目の前に座っていた)『金井さん、いらっしゃいませんかぁ!? 山田(仮名)さんからお電話で〜す!!』と叫んだんですよ(その職場には金井さんはいなかったので、外部からの職場への来訪者のことだと思った模様)。職場内一瞬沈黙の後、新人君の指導員のお兄様が『それ、金井じゃなくて家内じゃないのか...? 山田(仮名)さん、目の前』とぼそっと突っ込んでくれました。いや、妻って言えよ、夫。ごめんよ新人君... いや、すんげー、恥ずかしかったス。


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