日本の歩き方

男女の会話


I have some good news to tell you.
Ii nyusu arun-da. ♂♀

I can't tell you on the phone.
Denwa-ja ienai. ♂♀

You're going to be a daddy!
Anata-wa papa-ni naru-noyo! ♀

I'm pregnant.
Atashi ninshin shiteru-no. ♀

Congratulations!
Omedeto! ♂♀

Are you sure?
Honto-ni? ♂♀

(omitted some phrases)

Are you sure it's mime?
Honto-ni boku-no-ko? ♂

Quoted from P.101-104, "More Making out in Japanese", Todd & Erika Geers, Yen Books, Japan, 1989.

いいニュース、あるんだ。 ♂♀

電話じゃ言えない。 ♂♀

あなたはパパになるのよ! ♀

あたし、妊娠してるの。 ♀

おめでとう! ♂♀

本当に? ♂♀

(中略)

本当に僕の子? ♂

(訳:ピンキィ君の夫)

っておいっ!、こんな日本語を必要とするような生き方は改めた方がいいと思うぞ。

これは男女の間で交わされるフレーズを集めた日本語会話集で、著者のお二人はアメリカ人男性と日本人女性のご夫婦です。著者紹介の欄には、かわいいお子さんと一緒の写真が載っているのですが、この子の誕生にあたって、こんな修羅場が展開されなかったことを願うばかりです。この本を最初から順番に読んでいくと、『日本人とアメリカ人が出会い、紆余曲折を経て、結婚するまで』を描いた大河ドラマといった趣きです(いや、昼下がりの奥様劇場という感じか)。お金の無いアメリカ人男性が、日本でナンパした子といかに安くディスコや飲み屋で楽しむかに腐心し、車の中やホテルで楽しみ、痴話げんかをし、子供が出来てしまって揉め、プロポーズし、日本人側の両親・親戚・ご近所さんに気に入られるかどうかハラハラし、結婚式の形式をどうするかや費用がどれくらいかかるかで悩み、日本人側の親の面倒を見なきゃいかんのだろうか心配し、と山あり谷ありの大ドラマです(各場面における文例も豊富)。

私が昔いた職場(電子機器の生産管理)では、出来ちゃった結婚のことを『先発手配』(本体の受注が入って生産を始める前に、見込みで部品を先回り発注すること)と呼んでいました。3月に挙式する予定だったのが突然1月に変更になった同僚の男性の口実が『妹が1月に式を挙げることになったので、一緒に式を挙げた方が親戚も楽だろうと思って』でした。当時まだ入社して間も無い私は、『ふーん、そうですね』と言っていたのですが、パートさんの一人は眼光鋭く『出来ちゃったからに決まっているじゃない』と言い切り、見事に的中させたものです。その後しばらくその男性は、仕事仲間に『先発なんだってぇ?』と言われ続けていました。こういう時は下手に言い分けしないほうが潔くて良いようです。

女性同僚にも『できちゃった結婚』は数多くありました。つい3ヶ月前まで『あの人の不誠実さに愛想が尽きた』と言っていたのと、『もっとたくさんの女性と知り合いたいから(式当日に初めてその人を見た私は、それは無理じゃないかと思った)』とか言っていた二人が、涙、涙の感動挙式をしたり。『お腹が大きくなる前に、成人式に振り袖が着れてよかったぁ。せっかくの振り袖が無駄になるところだった』と言っているのがいたり。『ドレスを決めた試着の時よりおなか回りが一回り大きくなっていたけど、意地でおなかを収め込んだ』というのがいたり。

で、そういう『できちゃった』組の結婚式は、出席するのも楽しいです(いろいろなドタバタも知ってるし)。新婦側の友人どうしで『ねぇ、ねぇ、バージンロードって赤い絨毯じゃないの? ここの式場のは白いよ』、『えーっ、バージンじゃないからじゃなぁい』とヒソヒソ話したり、なにも知らない新郎友人が真面目な顔で『お二人の赤ちゃんを早く見せてください』とスピーチしているのを聞きながら『すぐよ、すぐ』と笑ったり。一番愉快だったのは新婦のおばあちゃん(ちょっと耳が遠い)が、『曾孫の顔が見れるまで、わたしゃ生きていられるかねぇ』と泣いているのに向かって、親戚のおじさんが『ばぁちゃん、すぐだから大丈夫だよぅ』と大声で叫んでいるのを見た時です。出席者の殆どは『出来ちゃった』を知らなかったので、皆びっくりしていました。出産祝いで『出来ちゃった』結果を見に行くの感慨深いものです。

私個人としては、『出来ちゃった』ことが原因で不幸そうな結婚した人を見たことがないので、別に出来ちゃった結婚も悪くないと思います。でも、結婚前って、式場の手配や打ち合わせでものすごく忙しいし、引越しはあるしで、かなり体力を消耗するので、『出来ちゃった』だと大変だろうなぁと思います(まぁ、旦那さんが一人でやってくれれば良いことなんだけど)。新婚旅行に行けないのもつまらないし。最近は海外なんか、いつでも行けるけど、旦那さんがお盆や年末年始以外に一週間以上の休暇を取れるのは結婚という理由がないと難しいぞ。下手すりゃ定年まで待つしかないか。


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