日本の歩き方

お風呂



 
THE JAPANESE BATH

The o-furo, or bath (never in the same room as the W.C.), is one of those quintessential Japanese experiences awaiting the visitor. First of all, it is not a bath in the Western sense of a means of cleaning yourself, because that is done outside the tub. Secondly, as you might expect, it is small and compact, but very deep. Thirdly, the water is exceedingly hot - hot enough, in fact, to enable the whole family (typically two parents and two children) to take turns enjoying it. (In former times, this could have included the extended family.)

As the honored guest, therefore, the visitor would be the first to use it - at its hottest. The process of stepping into it and, almost without moving, slipping down to sit on the bottom, is a challenging one, to say the least. But it should be experienced - as should any opportunity to visit one of the country's steaming volcanic spas, where the etiquette is the same.

Quoted from P.70, "Culture Smart! Japan", Paul Norbury, Kuperard, UK, 2003.

日本式の風呂

風呂(トイレと同じ部屋にあることは絶対にない)は外国人にとって、日本らしさの真髄ともいえる体験の一つだ。まず、日本の風呂は、欧米人にとってのバス、つまり体をきれいにする場所ではない。日本式の風呂では、バスタブの外で体を洗うからだ。次に、バスタブは想像どおり小さくて狭いが、かなり深い。そして、お湯はとんでもなく熱い。家族全員が順番に入浴しても、まだ十分なぐらい熱い(日本の典型的な家族構成は両親と子供二人の合計四人だが、かつてはもっと大家族のことが多かった)。

外国からの大切なお客様には、一番風呂が用意される。そう、お湯が一番熱いときだ。その熱いお湯の中に足を入れ、ゆっくりと体を沈めて底に腰を降ろすのは、なかなか大変だが、一度は経験してみる価値がある。温泉にも行くべきだ。温泉でも、入り方のエチケットは家庭の風呂と同じだ。

(訳:ピンキィ君の夫)

このガイドブックの著者さんが訪問したことがあるご家庭には、どうやら江戸っ子じいさんがいた模様(どうでもいいことですが私は『江戸っ子じいさん』と言う言葉を聞くと、昔、買ってもらったことがある人形『ちびっこチーちゃん』を思い出します)。

そういえば、新聞だか雑誌だかの人生相談で、『嫁が家長の私を無視して、さっさと一番風呂に入ってしまって許せん』というのがありまして(う〜ん、お嫁さんが何時に一番風呂に入ってるか判りませんが、じいさん、あんた晩酌の後、ひと眠りしてないか? きれーなお嬢さんがいる店で散々騒いでから帰ってないか?)、回答者曰く、『一番風呂というのはあたりがきつく、温度も高いことが多いので、お年寄りや体の弱い方には毒です。お嫁さんは貴方の体を思いやる優しい方なのですね。というふうにお考えになってはいかがですか?』という、じいさんが『ああ〜、風呂だけじゃないんだよ、ないんだよ〜』と身悶えして怒りそうな解答が出ていたことがありました。

じゃあ、嫁がワシに塩辛い味噌汁を食べさせるのも、ワシが昼間大汗をかいているかもしれないと思いやってのことで、ワシが話し掛けても返事をしないのは、ワシに大声を出させて新鮮な空気を大量に吸い込めるようにするためですか? 回答者様〜

で、その何ヶ月か後に、同じ人生相談で、別の人が『嫁はいつも私に一番風呂をすすめます。一番風呂は体に毒と聞きました。嫁は何か含むものがあるのでしょうか?』という質問が... これに回答者がどう答えていたかは忘れましたが、こりゃ未婚率がどんどん上がるわけだわ。

著者さんは熱い熱いと騒いでいますけど、そういえば昔住んでいたピッツバーグのアパートは日本人が多く住んでいたせいか、夜になるとよく、集中給湯しているボイラーの容量が足りなくなって各部屋の浴室あたりから悲鳴があがったりしてました。で、お湯を使う量が少ないだろう昼間にお風呂に入っても、なんかぬるいんですよね。知っている範囲では追い焚き機能があるお風呂っていうのも見たことないなぁ。う〜ん、もしかしてアメリカ人ぬるい風呂好き?

我が家では、熱い風呂好き(でも、あまりバスタブにつからないでシャワー全開)の夫と、ぬるい風呂好き(ついでに猫舌。おっ、夫は料理も熱々が好きだ)の私の間で密かにお湯の設定温度の上げ下げバトルが繰り広げられています(そう、ついに我が家もシャワー付属バランス釜風呂から自動給湯器風呂の家に引っ越したんですよ〜 洗濯機置き場の蛇口からもお湯が出るんですよ〜 使ってないけど。ついでに蛇口と洗濯機を結ぶホースが外れると自動的に水が止まるらしいです。わぁー、なんて便利なんだろう。これで洗濯機がひっくり返ってホースが外れても大丈夫。まぁ、ほんとうは洗濯のたびに栓を閉めるべきなんだそうですけど。でも停電したらお風呂に入れないっていうのは絶対間違ってると思う。非常用起動装置でも給湯器本体に付けとけや東京ガス。それと浴室までのパイプがバランス釜の頃より長くなってるんで、掃除しても本当に綺麗になってるんだろうか、とちょっと不安)。

その上、20分もすればバスタブにお湯が一杯になってすぐ入れるようになるのに、昔の癖なのか、夫はお風呂を沸かしてから2時間も3時間も保温のまま放っておく(保温に種火以上のガス代がかかるんじゃ)ので、30分以上夫が放置した際の保温解除バトルも最近勃発。私が解除すると、テレビをつけっぱなしのまま居眠りしてるお父さんがテレビを消された時みたいに、『あ、あ、今入ろうとしてたのに〜』とか言うのが、また腹だたしいんですよ。とっとと入れよ風呂ぐらい。


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