トイレの作法
| Sometimes the toilet door cannot be locked. Japanese
determine whether a toilet is engaged by knocking gently on the outside
door, and then wait for a counter-knock to emanate. Unknowing Westerners,
once inside, sometimes use their body weight in desperation to stop others
from entering. The latter, in turn, might think that the door is stuck,
and push all the more... This 'counter-knocking' custom naturally assumes
that the distance between toilet and door is a short one!
Quoted from p.31, "Customs & Etiquette in JAPAN", Helmut Morsbach, Global Books Ltd., UK, 1994. |
ドアに鍵がかからないトイレもある。日本人は外からドアをノックして、応答のノックの有無で使用中かどうかを判断している。これを知らない欧米人は、外からノックされると、中に入って来られないように死にもの狂いでドアを押さえたりする。一方、ノックした方は、ドアが開かないのは何かに引っ掛かっているだけで、もっと力を込めて押せば開くだろうと思って．．．
この「応答ノック」の習慣からは、便器とドアの間隔がとても短いということが容易に想像できるだろう。
（訳：ピンキィ君の夫） |
確かに、アメリカの公衆トイレの個室は、日本のより一回りか二回りは広いですね。日本サイズの個室にうっかり入ったら出てこれなくなってしまいそうな人がうろうろしてますから。高校時代の先生はアラブの某国で「自分のアパートより遥かに広い個室トイレ（談）」に入って「出かかっていたものが引っ込んでしまった（談）」そうです。
そういえば、アメリカのトイレでノックされたことは無いな。アメリカのトイレって、みんな足が見えるようになっていて、中に人がいるのが一目瞭然。ノックの必要はありませんものね。ノックいらずと言えば、１０年程前に行った中国の公衆トイレ。ドアも仕切りもないんだから、ノックしたくても（して欲しくても）できません。話には聞いていたものの、一本続きの溝の上に何人もの人がかがんで用を足している様を目の当たりにすると、「カルチャーショック」などという曖昧な概念を遥かに超えた衝撃を感じました。
アメリカでは、目が痛くなるようなトイレに遭遇したこともありません（遭遇したとしても、そんな所に入るのは自殺行為だ）。もしかして日本人の体臭が薄いのは、そのぶんアンモニアが排泄物にまわっているからとか？
アメリカのトイレでは、手を拭くペーパータオルが常備されているのも不思議。再生紙だったらいくら使ってもいいのか？ 私が昔いた会社では「トイレットペーパーを手ふきに使うな」と張り紙がしてありました。理由は「原価に響くから」。他には「便所での喫煙禁止」という張り紙もあって（ボヤ騒ぎがあったとか、トイレが詰まったとかかが理由だったようです）、皆で「便所だってー、だっせー」などと言っておりました。その会社は、けっこう有名企業だったんですが、「女子トイレから変な男飛び出し」事件、「女子ロッカーから制服盗難」事件、「こんな所に排泄物（大）が」事件などが、それぞれ年に一回は発生していました。かなりやばい会社だったかも。地域のお母様方には「（給料は安いが）娘を安心して勤めに出せる会社」との評価を頂いていたんですけど。
[追記] (2000/08/17)
夫が『あった〜、あった〜』と大騒ぎ。一緒に行った伊勢丹の古本市でなにやら汚い雑誌を買い込んでいたと思ったら、これを探していたらしい。
川崎のぼる 『いなかっぺ大将』
小学館 『小学６年生』 1969年3月号 P.84 から図版引用
大ちゃんがアメリカかぶれする回で、トイレのドアノックを欧米のマナーだと思い込んで実行する場面なんだそうだ。『ねぇ、日本人って、この頃からトイレのドアノックを欧米流のマナーだと思ってたんだね』と夫、得意そうだが、この頃は、一般人は、せいぜいハワイに３、４日行くのが『夢』だったんだから、いくら高額所得者（多分）の川崎のぼるでも、そう思ってもしょうがないと思う。
それに、以前読んだ唐沢俊一の本に、明治か大正に出版された欧米式ビルの利用方法の解説書に『トイレではまずノックして云々』と書いてあったと紹介されてもいたので、この伝説はずーっと昔からあったんだな。