日本の歩き方

若年女性の流行



 
Trends
Japan is the land of trends. Nowhere else do trends arise, spread and die with such speed. The reasons for this are simple: affluent youth, merciless advertising, high population density and an insatiable appetite for 'the new'. The birthplace of many Japanese fads is Shibuya, Tokyo's youth-oriented shopping mecca. Here are a few of the trends that have swept Japan in recent years.

Bihaku  Until the summer of 1999 parasols were the preserve of older women, but that summer the bihaku (white beauty) look took off for the fashionable Japanese girl over 20. Face whiteners and parasols have done a roaring trade with girls trying  to stay out of the sun as such as possible.

Puri-kura (Print Clubs)  Taking advantage of the Japanese fondness for memorialising any and all events with a photo, puri-kura are instant-photo booths that produce sticker-sheets of photos with cutesy borders and messages. Japanese high-school girls collect puri-kura pictures in special scrapbooks, and it's not unusual for a collection to run into the hundreds or thousands of pictures. (A common slang term at the moment is puri-free. The 'puri' being print-club photo sticker machines and the 'free' meaning 'not there'. In other words there are no print-club machines in the vicinity - quite a disaster for a young girl.) Puri-kura are readily identifiable - look for the Day-Glo machines with the curtained fronts. If you've got a few hundred yen to spare, you can step into the puri-kura and produce some distinctly Japanese souvenirs.

Ganguro (Dark suntans - literally, 'black face')  In Japan, a dark suntan is more than just a souvenir of a day at the beach. It's a social statement, part of a whole uniform that includes outrageous make-up, dyed blonde hair and towering platform shoes. Women who sport this look are known as yamanba, a word for mythical witches believed to inhabit the mountains of Japan. These days, yamanba are the source of much outrage among conservative older Japanese, one of whom recently remarked in a magazine article, 'Nothing about them is pretty, elegant or stylish; the main effect, I would say, is to frighten.'

Keitai Denwa (Mobile Phones)  These are more than a trend in Japan - they're a way of life. With over 40 million in use, there's almost one keitai denwa for every three Japanese. When you're riding a busy train in Japan, you may feel like half of those 40 million keitai denwa are in use around you. When they're not talking on their keitai, it seems that young Japanese are busy programming their automatic dial features or downloading wireless email messages.

Outrageous Make-up  For yamanba, a dark tan isn't complete without heavy, outrageous make-up. More often than not, this includes bright pink lipstick, sparkling glitter and thick circles of eye shadow around the eyes. Against the backdrop of a dark tan, the effect is sometimes raccoon-like - disarming to say the least.

High Heels  Towering, thick-soled boots, some with soles up to 20cm thick, are currently all the rage in Japan, especially among yamanba, who want to look taller. Needless to say, walking in 20cm platforms can be hazardous, and it's common to see young Japanese women tottering around holding onto friends and signposts for support. Indeed, the shoes are so high and unstable that they've been the cause of scores of injuries and two known fatalities.

Ruusu Sokusu (Loose Socks)  1998 was the year of loose socks in Japan. In an effort to make their legs look slimmer and more attractive, Japanese high-school girls started wearing outrageously loose socks that draped down over their shoes and even dragged on the ground. Before long, giant purpose-made loose socks were available, along with a special glue to affix them to the calf (without which they would simply fall off). Of course, the trend was over almost as fast as it began, and by the time loose socks arrived in Hokkaido, they were hopelessly passe in Shibuya..

Quoted from P.256, "Japan - 7th Edition", Chris Rowthorn, John Ashburne, Sara Benson and Mason Florence, Lonely Planet, Australia, 2000.

流行
日本は流行り廃りの激しい国だ。こんなに速いスピードで流行が生まれ、広がり、そして廃れていく国は他にない。そうなった理由は単純だ。小金を持った若年層、容赦ない宣伝、高い人口密度、そして新し物好きの国民性。日本の流行の多くは、若者にとってショッピングのメッカである渋谷で誕生する。ここ数年の間に日本中を席巻した流行をいくつか挙げてみよう。

美白 かつて日傘は中年以上の女性がさすものだった。しかし1999年の夏、20歳以上の女性の間で色白であることがお洒落だということになり、顔面を白くする化粧品と日傘が、できるだけ陽射しを避けたい女性たちに爆発的に売れた。

プリクラ プリクラとは、どんなときにも記念撮影をしたがる日本人の性癖につけこんだもので、インスタント写真を撮り、それにかわいいフレームやメッセージを入れてシールにしてくれるブースのことだ。日本人の女子高生は、専用のスクラップブックを用意してこのプリクラのシールを整理している。コレクションが数百枚から数千枚にのぼることも珍しくない。「プリなし」というスラングもある。これは、その辺りにプリクラが存在しないということ、つまり女子高生にとっては災難にも等しい状態を表す。プリクラの機械は蛍光色で彩られて前面にカーテンがかかっているので見つけるのは簡単だ。わずか数百円で、日本ならではのお土産を手に入れることができる。
 

ガングロ 日本では、よく日焼けした顔は、単に「海に行ったしるし」といったものではなく、社会的な自己表現の手段のひとつだ。つまり、後述する凶悪なメークを施したり、銀髪に染めたり、厚底ブーツを履いたりすることと同じく、ある種の「ユニフォーム」の構成要素の一部なのだ。このようないでたちをする女性たちは「ヤマンバ」と呼ばれている。「ヤマンバ」とは、日本の昔話によく出てくる、山深くに住む魔女のことだ。このヤマンバ娘たちは、世の大人たちの憤激を誘っており、雑誌に「彼女らには、かわいらしさも優雅さも美意識もまったくない。ただ人をぎょっとさせるだけだ」と書いた女性作家もいた。

携帯電話 これは単に流行にとどまっていない。もはや人生の一部と化している。日本には4000万台の携帯電話があり、約3人にひとりが使っている計算になる。混んだ電車に乗ると、4000万台のうちの半分があなたの周囲で使用中であるようかのように感じるだろう。日本人の若者たちは、通話していなくても、短縮ダイアルの登録やeメールの受信に忙しい。

凶悪なメーク ヤマンバたちは、日焼けだけではもの足らず、強烈で凶悪なメークを施している。たいていは、ピンクのパール系口紅をつけ、眼の周りにはキラキラと光るアイシャドウを広範囲に塗りたくる。真っ黒に日焼けした地肌とのコントラストが、まるでアライグマのようだ。どんなに良く言っても、せいぜい間抜け面でしかない。

厚底 20cmに達するものもある厚底ブーツは、いま日本中、とくに背を高く見せたいヤマンバの間で大流行している。言うまでもなく、20cmもの高さの靴で歩くのは非常に危険だ。厚底ブーツを履いたお嬢さんが、友達や道路標識につかまりながらよたよたと歩いている光景をよく眼にする。すでに厚底ブーツが原因で怪我をしたケースは数十件も発生しており、死者も2名出た。

ルーズソックス 1998年はルーズソックスの年だった。脚を細く、チャーミングに見せるために、靴の上に(時には地面にまで)垂れ下がったルーズソックスを女子高生たちが履き始めたのだ。巨大で長大な、最初からルーズソックスになっているルーズソックスを企業が売り出すまで、ふくらはぎからズリ落ちないようにするための特殊な糊は必需品だった。もちろん、ルーズソックスは流行り始めるのと同じぐらいのスピードで廃れていったため、北海道に上陸した頃には渋谷ではもう終焉を迎えていた。

(訳:ピンキィ君の夫)

ここに載っていることの8割は終わってますね。今やもう流行は、汚ギャルの時代へ(これは流行とは言わないか)。

ニューヨーク・タイムズの日本支局長が赴任してきたとき、電車に乗ってびっくりしたそうです。『日本人がみんな携帯電話をかかげ持って、それを睨みながら瞑想に耽っている。さすが禅の国・ニッポンだ』と。

でも、最近は我が家の行動範囲内では電車内で携帯いじっててる若者は激減してます。傍若無人にメールしたり(それでも電波出てるって、いつになったら学習するかなぁ)、話したりしてるのって、オジさんオバさんか中小学生ばかり。若者達はいったいどこへ向かってるんだろう? テクノロジーに耽溺しちゃった反動で次はネイチャー系か? 60年代末期的ラブ&ピースの世界なのか? それで『セックス&ドラック&ロックンロール』まで戻って行っちゃったら、おばちゃんあまりに悲しいんで、なにか新しい地平をオバチャンに見せてね! お願い!! 若造ども!!

いやね、ルーズソックス流行ったときに、ソックタッチもリバイバルしたのが、おばちゃん余りにも悲しくてねぇ。もう、なんか20ん年前の亡霊が目の前に立ちはだかった感じで...親にソックタッチ買ってもらえなかった思い出とか、そのおかげで当時流行ってたワンポイントソックスが履けなくって、三つ折ソックスしか履けなかった思い出とかが甦ってきて、思わず叫んじゃったりするわけだ。『ソックタッチの会社、潰れとらんかったんかい!!』、とね。

話題は変わりますが、まだ『ヤマンバ』の呼称が一般化していない頃、知り合いのかたが彼女達のことを『モンスター系』と呼んでらしたんですけど、いまだに夫と『あれはヤマンバよりモンスター系のほうがしっくりきたよねぇ』と、ことある度に話しております。しかし、どこからあれが『イケてる』ってことになったんでしょうねぇ? そのちょっと前に流行っていた『ハワイ系』の超進化系(っていったら多分ハワイの人は怒るが)だったのかなぁ...

日焼け防止は若いお嬢さんより、やっぱりご年配の方々がたのほうが熱心なんじゃないでしょうか? 日傘や機動隊ヘルメット風のサンバイザー(一部掲示板では『通販で見かけたが、あんなのかぶる奴いるのかぁ』と話題になっていましたが、我が家の近所では結構見かける)や、高温多湿のこの風土にもかかわらず長袖、手袋などで重武装している方々も大勢見かけるのですが、そういうかたに限って『もう遅いのでは...』と思わせるかた多し、いや、そう思ったからこそ時を止めようとなさっているのかもしれませんが...

どうも、あれぐらいの年配の方々は、何かを塗ったりするのが面倒くさいようです。あの恐怖アイテム、『アイシャドーがなくても目元が華やかになる』といわれている色つき眼鏡(サッチーや和泉母などがかけているアレ)なんか、いまだに売ってるもんなぁ。そのうちテレビ通販で『ワンタッチでフルメイク。ワンタッチで化粧落としがOK』なんていう、パックシート型マスクが出てきたりして...

しかし、日焼け止めを塗って出かける(私も手遅れのクチ)度に、『なぜ、男性は日焼け止めしなくていいことになってんだぁ〜 皮膚癌の発生率は同じぐらいだろうがぁぁ〜』と腹立たしい今日この頃です。そのうち日本でブルカが流行る日も遠くないかも。

眩暈がしそうな昼下がり、あの日除けサンバイザーをしたご年配の方々が自転車に乗って、向こう側から大挙押し寄せて来るのに遭遇すると、『わぁ〜、押井守の新作か!?』と思うぐらいのインパクトがあります。ほんと、恐いです。視界が暗くなるせいか、こっちに突っ込んでくる人もいるし。
 


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