エストニア:スターリン


エストニアで見つけたアネクドート(ソ連/ロシアの政治ジョーク)集の英語版から。エストニアは、第二次世界大戦前のどさくさで、ソ連にむりやり併合されて、1990年(つまりソ連崩壊の前年)に独立して、それがソ連崩壊の引き金を引いたと言われているバルト三国のひとつです。
Stalin's monument is standing near the Baltic railway station in Tallinn. A farmer comes to the city, looking at the monument and asks: did this man do anything good that a monument was put up in his honour ?

People explain to the farmer that he drove the Germans out of the country,

"Oh, I see. Is he still alive ?"

"No."

"That's a pity. Otherwise he might have driven the Russians out as well."

(1960-ies)

Quoted from P.34, "Anecdotes about Soviet Power and Their Leaders",Juri Viikberg, OU Punkt & Koma, Estonia, 1997.

エストニアの首都・タリンの駅の近くに、スターリンの銅像が建っている。地方からタリンにやってきた農夫が、この銅像を目にして、近くにいた人に尋ねた。

「こんな銅像が建っているってことは、立派なお人だと思うんだが、このお人はいったいどういうことをしたんだい?」

「エストニアからドイツ野郎どもを叩き出してくれたのさ。」

「そうかいそうかい。で、このお人はまだ生きてるのかい?」

「いや、もう死んだ。」

「そりゃ残念なこった。生きていたら、今度はロシア野郎どもを叩き出してくれただろうにな。」

(60年代に採取)

(訳:ピンキィ君の夫)

え〜、日本では艶笑小話(昔、週刊新潮の最後の方の”芸術”ヌードグラビアの前のあたりのページにあったあれです)のおかげで、ある年代以上のおっさんは『ジョーク』と『エロ話』を取り違えてるフシがありますね。

今ちょっと気がかりなのが新聞の広告欄に載っている通信教育の『ユーモア』講座でどんな『ユーモア』を教えているのかということ。っていうかユーモアって、人に教えてもらうんじゃなくて、場数踏んで覚えるもんなんじゃないのか...あっ、だからおやじ達、『エロ話』しか出来ないのか。江戸時代の川柳なんかは、艶笑ものもあれば政治ものもあったんですけどね。

それから、よく『ジョーク大国アメリカ』みたいなことが言われますが、60年代後半から70年代初頭のアメリカならともかく、『他人との会話で宗教と政治の話は駄目』と言われている、かの国がなぜ『ジョーク大国』なのか、ちょっと不思議。だって、タブーぎりぎりで笑いをとるのがジョークだと(私は)思うんですけど。

じゃあ、当り障りがないところで、っていうんで、しょっちゅう『うちのワイフがね....なんだよ、ワッハハハ!!』とエロ話ばっかり言っているんだろうか(いや、今や『ワイフ』じゃなくて『パートナー』と言え、とか、女性をジョークのネタに使うなとかいうことになって、当り障り有りまくりかも)と思ってました。

そしたら、この前、日米欧の会社(合計10社近く)が電話会議で契約交渉をしたのに夫が参加した際、議論がどんどんこんがらがって、険悪な雰囲気になりかけた時、ドイツ人の電話の向こうで飼い犬(時差の関係で、その人は自宅から参加していた)が大声で吼えたそうです。するとすかさずアメリカ人が『ほら、あそこの弁護士もこの条件じゃダメだってさ』と言って、いきなり和んだ雰囲気になったそうなんです。う〜ん、そういうの聞いちゃうと、やっぱり『鍛え方が違うなぁ』、と思います。


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