日々是口実 2002年1月〜3月

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(上の方が新しい出来事です)

某月某日
サブちゃんのコンサートに行って以来ずっと、新宿コマ劇場での一座公演に誰かタダで連れてってくれないものかなぁ〜と思っていた。

あれから4年、コケの一念岩をも通す。某所からついに北島三郎コマ劇場公演のチケットをいただく。いや〜ん、うれしぃ〜、演歌の神様ありがとう!!夢見るおもいで、いざ、母と新宿へ。

1500円もするパンフレット
実はコマ劇場初体験。魅惑の花園、憧れの地。

開演40分前には正義の御旗のもとに歴戦の精鋭たちが続々と集結し、糧食の確保ならびに戦利品の収集を開始していた。

と書くと聞こえはいいが、要するに入場者の大部分を占める団体さんたちでお祭りさわぎ。劇場の外で並んでいた時にはおとなしくしていたマダムやグランパ達は、劇場に入った途端に豹変。土産ものやサブちゃんグッズをゲットせんと売り場に殺到。あちこちで『○○さんどこぉ?どこぉ?』『○○さん○○さん、サブちゃんのこれ買いなよぉ!』などの声が飛び交うなか、よれよれの添乗員さんが『○○友の会』などの旗を掲げたまま、なすすべもなく佇んでいる。

ふと、横を見ると夫の実家(四国某地方)周辺のマダム達がおしゃれする時に首に巻いているスカーフが山のように積まれている。『ロシアのおばさんみたいなスカーフがなぜおしゃれなんだろう?』と不思議に思っていたが、ここらへんに原因が...

老い先が短いため『順番』などという概念のないグランパやマダムをかきわけつつ、留守番の夫におみやげを買う。

お土産の湯のみ
渋いお茶が飲めそうな逸品。おしゃれなオフィスに花を添えること間違いなし。今回は、川崎でゲットしたイカすサブちゃんの御真影入りTシャツがなかったのがちょっと残念。
劇場の雰囲気その1
席についてサンドイッチでも食べようかと(ここは食堂やロビーが狭いせいか、禁止しても無駄だというあきらめのせいか、江戸時代からの伝統を重んじるせいか、席での飲食がOKなのだ。しかし、どう考えてもお年寄りが多いだろうここに、どうしてテナントとしてケンタッキーが入ってるんだろう?もしかして、『コマ劇場特別メニュー』でもあるんだろうか?よく調べとけばよかった)思って、ふと前を見ると、ああっ、やっぱりここでも『自慢の手製の漬物』が席の間を飛び交ってる。

開演、芝居が始まるが客席はお茶の間気分が横溢。トイレに行きたくなったら、皆さん遠慮せずどんどんトイレに行く(まだ始まって1時間しかたってないのに...)。横のおっちゃん、いちいち奥さんに『しょんべんいってくらぁ』と言わんでよろしい。杖をついて背中をささえられたおじいさんがゆっくりゆっくり席に向かっている、多分、ロビーから席まで10分はかかってるな。席に戻る途中、疲れてしまって適当な席に座り、座席案内の係員さんに注意されているおばぁさんなども。そろそろ、完全バリアフリー劇場に改築したほうがよいのでは?

お芝居の前半がたるいのは、このような方々や、魔都新宿で道に迷ってしまった方々がクライマックスに間に合うようにとの配慮かもなぁと思う。2時間お芝居(清水の次郎長もの)するんですけど、あまりにテンポが遅いもんで『ああっ〜、もう、石松。さっさと死ねやぁ』と切れる寸前でした。

でも、ナマ白木実(『龍虎、大きいねぇ』『隣に白木実が立ってるからじゃないの?』との感想があちこちであがっていた。それだけのためなのか珍念。でも、高音部の声の張りは相変わらずでした)と、ナマ大村崑が見れたのは嬉しかったなぁ。でも、何の役でも眼鏡をずらしてなきゃいけないのかぁ、コンちゃん。ということはコンちゃん実はコンタクト愛用者?

劇場の雰囲気その2
やっと芝居が終わり、休憩に入る。前の席ではタッパーに入ったフルーツがまわってる。

休憩がおわり、歌の部。若者向けコンサートでは考えられない『客席の中に突如、北島ファミリー登場!!皆さまと握手をしながら舞台へ』というシュチュエーションで始まる。

なぜ圧死事故も起きずにこのようなスタートが出来るかというと、客席の大半は足腰が弱った方々、あ〜んど、不精なマダムやミスターだからなのだ。それが証拠に、あちこちで『サブちゃん、おいで〜』『来て〜』『こっちよこっち〜』という声を上げながら、舟幽霊のように力なく手招きする姿が... 中にはファミリーに向かって突進する比較的元気のいいマダムとミスターもいるが、適当なところで制止員が2、3人でちぎっては投げ、ちぎっては投げ(あくまでもソフトに)するだけでOK、混乱状態には陥らない。ハッと気がつくと、わたしのすぐ隣にも船幽霊が(母だ)。『譲二〜おいで〜』と手招きしている。おい!このあいだまで『藤木く〜ん』とかいってなかったか?

ファミリー全員がステージにたどり着き、歌謡ショー開始。今回もサブちゃんバンド(正式名称は『鈴木操とジャズ・キングス』というらしい)のバンマス・操ちゃんは元気に登場している。でも、前回と違って指揮と司会は別の専任者がいたのと、お笑いの掛け合いを北島ファミリーがやっていたので、操ちゃんあまり目立たず。操ちゃんファンのかたはコマ劇場ではなく、地方の文化会館などでの鑑賞をお勧めします。操ちゃんの一人四〜五役の大活躍が見られるはず。

歌謡ショーは後半に向かい大盛り上がり(すみません、前半、ファミリー構成員が歌っている時、疲れてちょっと寝ちゃいました)。舞台の上ではサブちゃん達を乗せた漁船が上下しながらぐるぐる回る。舞台の両脇には『感謝』となぜか『跳躍』の巨大電飾文字が輝く。ふと前を見るとハンカチを振りつづける(客船の出航時のお別れのような感じで)お客さんが...

そして、最後の曲『まつり』では、和太鼓連打と、総勢140名ほどの乱舞の中、4匹の龍がついたフロート(イメージは多分竜宮城)の上にサブちゃんが乗って登場(あまりに高いところにいたので、最初『サブちゃん、どこ?どこから出てくるの?』としばらく探してしまいました)。

フロートが派手な電飾と共にぐるぐる回る。ああっ、米米CLUBが解散しちゃって『もう、あんなのは見れないのね』と思ってたけど、舞台装置はサブちゃんが、パフォーマンスは氣志團が継いでくれてたのね。今、気が付きました。いえ、まぁ、わたしの中ではそうなってるってことで、よろしく機械犬(メカドッグ) 。こういうのがある限り、わたしは小林幸子は否定できないなぁ(美川憲一は嫌だけど)。やっぱり、演歌歌手はコメンテーターとかご意見番になっちゃ駄目だと思う。

そしてフィナーレ。サブちゃんがまだ頭を下げているのにさっさと席を立って帰っていくジジババ続出。アンコールなんていうケチな概念なし。

劇場の雰囲気その3
4時間の長丁場でした。で、終わってから気がついたのが、緞帳の『永谷園』の文字。これってサブちゃん一座の公演専用?

帰りがけ、コマ劇場の近くの『にいむら』で食事。店内には経営者らしい人とサブちゃんのツーショット写真が...


某月某日
哀悼・半村良
GIサムライ
『戦国自衛隊』アメリカ公開版のビデオパッケージ
"G.I. SAMURAI" starring Sonny Chiba
と、いっても実は同年代の少年達ほどの思い入れはなかったりします。

眉村卓などのジュブナイル系をさらっと読んだ後は早川や創元推理の洋物SFにいってしまったもので。(萩尾望都作品の影響で、当時はブラッドベリが中高生女子の間に大流行していたのだ。ところでマイケルクライトンの出世作『アンドロメダ病原体』は登場人物の一人の持病のせいで発禁処分になるかと心配していたが、そうはなっていないようで一安心。わたしはこの本で二進法→十進法への変換の仕方を覚えたのだ。あと、凄い勢いで突然変異する病原体の存在とか、phバランスのこととかも)

それに半村良氏の作品は大人の男の人向けだったしなぁ。中学の時、『妖星伝』を立ち読みしていて、本屋のおっちゃんに取り上げられたことあり(この本屋では、ハーロックファンの中学生は、おっちゃんの監視のもと『漫画ゴラク』のハーロックのページのみを立ち読みすることが許されていた)。

でも、『魔女伝説』のラストシーンはいまだに好きだなぁ、物語自体は『しあわせな”七瀬ふたたび”(ただし、仲間なし)』みたいな話なんですが一読しただけで映像が浮かび上がる文章を書かれるのが上手な方だったような気がします。

へたな翻訳物を読んでるみたいに、読んでからしばらく考えないと映像が浮かんでこない小説がよくあるんですが、半村氏の小説(わたしが読んだ範囲内で)にはそういうストレスがなかったもので。『妖星伝』で言えば尼さんに取り込まれていく男の描写とかいまだに覚えています。まぁ、十代だったから強烈な印象を覚えたのかもしれませんが...

で、上のパッケージ。決してパソコンで加工して作ったものではありません。アメリカで実際にちゃんとしたビデオ屋さんで売っていたものです。(他に、『必殺』とか『座頭市シリーズ』なども購入可能。『座頭市地獄旅』は『イチVSチェスマスター』というかっこいいタイトルで販売されていた)

パッケージを見た瞬間、『これはもしかして”ZIPANG ジパング(林海象 監督)”とのカップリングビデオ(アメリカにはよくそういうビデオがある)か!?』と思って購入したら、中身は3倍速で録画された(これもアメリカの廉価ビデオではよくある)『戦国自衛隊』でした。パッケージ裏の解説を見た時点でいや〜な予感はしていたのですが。まぁ、このパッケージだけで値段分の価値はあるだろうということで。でも、なぜ、『ZIPANG』...


某月某日
便座が割れた...
割れた便座
最近、なんか『ミシッ、ミシッ』とか言っていたが、見たところヒビも入っていないし、まぁ、なんかの具合で鳴るのだろう、程度に思っていたのだ。

わが家は築30年以上のボロ集合住宅(ただし、便座がその年数経っているかは判らないが)のうえ、毎日90キロ近い体重の夫と、ン10キロ近い私が使ってきたせいでさすがに限界がきたのだろう。体重比から言うと夫の責任が多いと思われる(滞在時間も私の3倍はかけている)のに、私の番で壊れるなんてあんまりだ。

夫に絶対怒られる。夫は自分が修理できなさそうなものを妻が壊すと烈火のごとく怒るか不機嫌になるのだ。ただし、自分が壊した時も妻に八つ当たりするので、どっちにしても私はむかつきながらホームセンターor電気屋さんに走ることになる。一度でいいから私はオロオロするだけで、夫に力強く『大丈夫、僕が直すからねor明日買いに行こう。心配しないで』とか言って欲しいものだ。

まぁ、プラスチックだからアロンアルファでくっつけてみるか... なんとなく、くっついたので、そのままカバーをかけて使用する。全然、問題なし(まぁ、多少慎重に扱いはしたが)。

ところが!! というかやっぱりというか、帰宅した夫がトイレに入った途端悲鳴があがる。

トイレから出てきた夫が珍しく『ごめんなさい〜便座壊しちゃった〜』と謝り始めた。ここで、日ごろの恨みを晴らすべく夫の責任にしきってしまえばよかったのだが、あまりの謝りっぷりに、つい真相を告白してしまう。

一度は自分のせいだと思ったおかげで私の立場が判ったらしい夫はいつものようにキレはしなかったが『アロンアルファなんかで直るわけないでしょ』と、厭味を言うのを忘れなかった。

でも、その後夫は『どうしよう?修理屋さんってどう探せばいいんだろう』とオロオロするばかり、こいつは『ただいま』の『ただ』を言ったか言わないかの内にパソコンの電源を入れ。妻が目を離せばすぐにネットサーフィンしながら食事をするほどのアホたれ(で、ネットに夢中になって聞こえなかったテレビの内容を妻に聞いて、妻が答えられないと怒るのだ)のくせして『TOTOのホームページに行って、便座の交換が出来るかどうか調べよう』という頭は働かないのだ。

そのときすでに妻はすべての情報をゲットしていた。最悪、近くのホームセンターに便座を発注すればいいという情報から、便座のサイズの測り方、値段まで... で、それがわかると夫は『じゃあ、明日発注しといてね』といったきり、自分のお気に入りの場所へのネットサーフィンを始めた。それに、平気で割れた便座をそのまま使っている。割れた便座のカケラが便座カバーごと便器にずり落っこちても平気らしい...

翌日、ホームセンターに行くと、なんとTOTOの純正品とそうでないメーカー品が売っているではないか。すばらしいぞニッポン。私は、近所に団地を壊している現場があるので、そこに行って便座をもらってこようとまで思いつめてたのに。

でも、純正品とそうでないのとで値段は2倍違う。迷わず純正品でないのを購入(でも、やっぱり純正品の方が肉厚で割れにくそう。お金に余裕がある方は是非純正品のご購入を)。

で、えっちら、おっちらと便座を手にさげて(袋から透けて見えるんだなこれが)帰宅(私は車にも自転車にも乗れないのだ)。

組み立てマニュアルが不親切だと怒り出す夫に組み立てさせても嫌な思いをするのは私(夫は『メーカーに怒ってるんだ』というがその怒りをそばで聞いているのは私しかいないので、駅で見ず知らずの酔っ払いのおやじの説教を聴かされるOL状態となり、とてもむかつくのだ)なので、せっせと壊れた便座を外し、新しい便座に付け替える。

帰宅した夫はひとこと『わ〜、便座直ったのぉ〜、奥さんが直したのぉ〜えらい〜。置いといてくれたら直したのに〜』(い〜やっ!あんたが文句一つ言わずに黙々と修理するとは思えないね!妻にあたらないまでもなんか絶対文句いうんだから)。

そういえば、蛍光灯を換えたときも『なんか部屋が明るくなったね』とのたまったなぁ、この人。パソコンの調子が悪いと自分で必死に直すんですけどねぇ。

生活に密着した修理事には全然興味ないし、私より知識なかったりするんですよ(私が『こんなの常識じゃん』とかいうと怒るんだなぁ。これが。でも、自分が知ってることを私がなかなか理解できないと怒り出すのがまた面倒。そして、自分が怒り口調で喋っているのに、怒っている自覚がないのがまた面倒。もう面倒なので、最近はキレそうだなぁ、思うとコミニュケーションとるのやめるようにしてます。まぁ、私の中には澱がどかどかたまりますが、キレたら人の話なんか聞かない奴とコミニュケーションとろうとしても無駄なだけ)。

とりあえず、新しい便座は今日もなんとか夫の体重を支えている。私は私で『私ったら、ビデオもパソコンもつなげられるし、よその家ではお父さんがやっているような工作も出来るし、飲み友達もいるし(夫は酒が飲めない)、帰ってきて寝るまでパソコン見つめてる夫と暮らすぐらいなら、もしかして、一人で暮らしていくほうが楽しいのでは?』とか思う毎日である。


某月某日
新宿紀伊国屋の地下出口から地下道へ出ようとしたところ、出口付近に人だかりが。

その中の一人のマダムが人だかりの中心の人と握手をしながら『頑張ってくださいね』とか言っている。

そのまま通り過ぎようとすると、夫が私を引きとめる。なんと、ピーターフランクル氏が自著にサインをしながら立ち売りをしているのだった(フーテンの寅さんスタイルといえばおわかりだろうか。売り物は寅さんと違ってちゃんとした自著本だが)。

私はご尊顔を拝したことに満足して立ち去ろうと思ったが、夫はどうしてもサイン本が欲しいらしい。一冊、購入せよと言う。

夫が一冊選んだので、夫にお金を渡して買わせようとしたら、夫は人見知りを始めた3歳児のように後ずさって、私に購入しサインを貰えと指示する(第三者から見たら自意識過剰な片思いのホモにしか見えんぞ、おっさん)。

サインをいただき夫に手渡すと『いや〜、女性からサインねだられたほうがうれしいだろうと思って』とセクハラおやじのようなことをぬかす。

私がもし、本を出してサイン会をするようなことになったら(まぁ、そんなことは絶対無いけど)そりゃ、かわいい男の子にサインをねだられるのもうれしいが、本当のファンの人に感想など聞かせてもらいながらサインをねだられるほうが、よっぽどうれしいと思う。そんで、『サイン本はレアアイテムとして保存』なんてことしないで(まぁ、そうすりゃ本は余分に売れるが)サインつきのままガンガン読んで欲しいなぁ。ちゃんと読んでくれた形跡があったらブックオフに売られても、『まっ、いっか』と思えるだろうし。

平太・・・
そう、夫はどうもこのページのネタ用にこの本を購入したようなのだ。その証拠にこの本を読んでる姿を見たことがない。まったく失礼な奴。

あっ、フランクルさん、私、読んでますから。でも、数学が10段階の5だったもんで答え読んでもわからない問題があったりします。ああっ、だから馬鹿って嫌。


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