日本の歩き方

ゲイ向けホテル



 
昔、お勤めしていた頃のこと。

職場で旅費精算の申請係をしていた先輩に『なかなか見れないもの見せてあげる』と呼ばれたので行ってみると、蛍光ピンクの領収書が...

私 『なんすか、これ? ホテルの領収書みたいっすけど。このど派手ピンクはいったい...』
先輩 『いや、ホテルの領収書なんだけど、ラブホのなんだわ』
私 『これ、経理通るんすか?』
先輩 『通さねばなるまい、非常時なんだから』

これはサラリーマン漫画にありがちな公私混同精算じゃなくて、職場の人が大地震の復旧作業のために出張したところ宿が見つからず、『風呂入り放題で、ベッドがでかい』ということでラブホに泊まったそうなんですね。男二人で。

で、あとで出張者ご本人に聞いたところ、『領収書が必要なんで有人フロントがあるところに行くんだが、男二人で宿泊OKなところがなかなか見つからなくて、大変だった』そうです。ひとつベッドに二人で寝るのは、『ベットでかいし、雑魚寝と同じ』だそうで。そうですか、いや、いいんですけど。

ちなみにこの領収書、最初は経理から見事に付き返されたそうですが(しかし、なぜコクヨの領収書にしとかんのだこのホテルも...)、部長と課長に連名で一筆書いてもらい、事なきを得たそうです。

というわけで(どういうわけだ)今回は、アメリカで出版されているゲイ向けの旅行ガイドです。

この表紙、どストライクですね。これで『子供が間違えて買ってしまった、どうしてくれる』というPTAも完全排除です。

実はわたくし、余り胸毛好きじゃないのですが、最近読んでる小説の主人公が胸毛ありで、お話のポイント、ポイントで胸毛が出てくるもんで、『ちくしょう、アングロサクソンめ〜、この性格で胸毛ありなんてないだろ〜』と思いながら読んでます。

で、このガイドブック、いたるところに広告が。

 
フィリップ・マーロゥが結婚して住んだ街(のモデルになった)パームスプリングスも、タフで優しいメンズのリゾートのようです。

日本もあり。

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Quoted from P.662, "DAMRON Men's Travel Guide 2009", Damron Company, USA, 2009.
アジア
日本
東京

■ 情報センター

Akta 新宿区新宿2-15-13第2中江ビル301号室 03-XXXX-XXXX 午後4時〜午後10時 コミュニティセンター エイズ情報

■ 宿泊

24会館 [M,F,V] 新宿区新宿X-X-X 03-XXXX-XXXX ホテル&サウナ 浅草03-XXXX-XXXX 北上野03-XXXX-XXXX

フォーシーズンズ椿山荘 [GF,SW,WC] 文京区関口2-10-8 03-XXXX-XXXX 歴史ある日本庭園に囲まれる

ホテルセンチュリーサザンタワー [GF] 渋谷区代々木2-2-1 03-XXXX-XXXX ゲイ地区に近い

京王プラザホテル [GF,SW] 新宿区西新宿2-2-1 03-XXXX-XXXX レストランとバーよし

パークハイアット [GF,SW] 新宿区西新宿3-7-1-2 03-XXXX-XXXX 映画「ロスト・イン・トランスレーション」に登場したラグジュアリーホテル レストランとラウンジよし

新宿プリンスホテル [GF,WI] 新宿区歌舞伎町1 03-XXXX-XXXX 米国800-XXXX-XXXX

新宿ワシントンホテル [GF] 新宿区西新宿9 03-XXXX-XXXX

東京国際ホステル [GF] 東京都新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザ18F 03-XXXX-XXXX 門限午後10:30

(訳:ピンキィ君の夫)

いや、ちょっとまてまて。

最初の『24会館』(ここはマジに有名なホモ向け施設だそうです)と、最後の『東京国際ホステル』(名前の通り普通のユースホステルらしい)を除いて、有名どころのシティーホテルばかり。これらのホテルで夜な夜な上の広告のような熱い夜がくりひろげられてるわけではありません。

サザンタワーってそんなに2丁目に近いかなぁ? ロス疑惑の人(故人)とか中国人観光客とかは見かけましたけど、熱い二人組は見たことないなぁ。京王プラザホテルの方は、太古の昔、ホテルの前で沖雅也を見かけたことがあります(だからといって京王プラザホテルがそういうところではないんですが)。

新宿といえば2丁目の近くのかに道楽で、おねぇ言葉のおじ様がカニ食べながら、若もんに客商売のあり方について説教してらして(『そりゃね、あたしは客を諭吉と思えって言ったわよ。でもあんた達はね、客にそれを気づかせちゃってるのぉ、それはだめぇ』とか色々)、聞いててためになったなぁ。

で、上のリストをよーく見ると、最初の『24会館』(繰り返しますが、ここはマジに有名なホモ向け施設だそうです)以外はどこも、ホテル名の後の[ ]の中にGFとあるんですね。

 
このGFが何を意味するかというと、表紙裏の凡例を見ると...
GFはゲイ・フレンドリー(ほとんどがノンケ)、とのこと。ちなみに、『24会館』(しつこいようですが、ここはマジに有名なホモ向け施設だそうです)のは Mostly Gay Men(=ほとんどがゲイ)だそうです。

なのでGFは、チェックインカウンターにやって来たゲイをじろじろ見たり怖がったりショットガンかまえて追い返したりはしない、ぐらいの意味だと思います(とすると、日本の宿泊施設は殆どどこもゲイ・フレンドリーではないかと...)。

それにフォーシーズンズやパークハイアットなんか、アメリカでも高級ホテルとして有名なんだし、ヘンに勘違いするゲイの人もいないはずよなぁ、大丈夫だよねぇ。

と思ったんですが、その認識は甘いことを思い知らされました。アメリカ国内の項では、名のあるホテルがこんな広告を出してます。

天下のヒルトン。リラックスして見つめあう二人。ここも本文によるとGFということになっています。
このエンバシー・スイーツもヒルトン系の長期滞在用ホテルのブランド。脚、からみあってますが、ここもGF。うーん、『ゲイ・フレンドリー』でも油断できないようです。

こんな過激な画像を使っているところは少ないんですが、他にも有名どころがいくつも広告を出してます。

 
左の『W』はシェラトン系のお洒落ホテル(みなとみらい地区に日本初進出 しようとしていたら リーマン・ショックで計画中止 に)。

右の『ミレニアム』もアメリカではわりとメジャーなホテルチェーン。

この二つは多分『宿泊拒否はしませんよ』ぐらいの意味では? でも、広告出すってことは、積極的に売り込んでるってことかなぁ?

おまけ。同じガイドブックにあったニューヨークのゲイクラブの広告。

胸に漢字タトゥーが。
と思ったら字が裏返し。写真が裏焼きになっているだけかもと思ったが、よく見ると...
ジーンズは合ってます。ということは、写真全体が裏焼きになっているのではなさそう。
タトゥーを裏返してみるとこのとおり。職人さん、型紙裏返しで彫っちゃった模様。

いっそ、『受け』とか彫ってあったらウケルのに。


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