日々是口実 2001年お正月
(上の方が新しい出来事です)
某月某日あけましておめでとうございます。今年も『海の家』をどうぞよろしく(2001年1月現在)。
ということで今年は夫が2001年問題対応で自宅待機なんてこともなく、すんなり夫の生家への正月帰省とあいなりました。
年末年始は飛行機の予約が大変で、やっと確保できたのが始発便。朝4時に起きて、5時の始発電車で羽田へ向かう。
途中駅で酔っ払いのオジさんが乗り込んできた。夜通し飲んでいたらしい。『ドント・イート・アニマルズ!うなぎを食え!うなぎは栄養があるんだよ!わかってんのかぁっ!』と乗客に向かって英語混じりで力説すること20分。初っ端からイヤな予感が。
羽田に到着。まだ外は暗いのにカウンターというカウンターには長蛇の列。並んでいるうちにその列はどんどん長く・くねくねになって、あの広いコンコース(というのか?)は人が通ることも困難なぐらいになってしまった。
空港内の大混乱を見ながら、夫は『これが康夫ちゃんがペログリ日記で書いていたアレかぁ』と感慨深げ。
それでも、始発電車で乗り込んだ甲斐あって、出発時刻の30分以上前には搭乗口に無事たどりつき、余裕で機内へ。
ところが、出発時刻になっても座席が3分の1ぐらい空いている。満席のはずなのに。チェックインしたけど搭乗口まで辿りつけない人が続出しているらしい。スッチーさんがキャンディを配ってまわって乗客のご機嫌をとる。
結局1時間近く遅れてやっと出発。滑走路に入る最後のカーブを曲がりきる前に加速を始めたトリプルセブン。いつぞやのアトランティックシティ発のスピリットエア並みの切れ味のよさ。パイロットさんの精神状態が手にとるようにわかる一瞬でした。
離陸してまもなく、1時間半ぐらいは狭い機内で我慢出来たであろう乳児達が、時間切れ(多分)と同時に一斉にムズがりだしたのは壮観でした。
で、四国到着。タクシー乗り場まで走ってJR駅へ。何も言ってないのに急いでくれた運転手さん(表情で察してくれたんだと思う)の努力空しく、駅に到着したときには、指定席を取っていた特急電車はタッチの差で発車したあとだった。くそ〜、指定料金〜
でも、1時間後の次の特急でなんとか夫の故郷へ到着。
何度も来ているのに、今回初めて気がついたのが駅前のこれ。
なんか、森繁久弥やフランキー堺が卓球してそうなところですね(お弁当屋さんのネーミングにもちょっとひかれたが)。今でも現役かどうかは謎。それよりびっくりしたのが、この写真をとろうとしたら、夫に『こんなの面白いの?』と言われたことです。この界隈ではあたりまえの施設なのか? バスや電車(正確にはディーゼル車)が1時間に1本ぐらいという当地では必要な施設だったのかも。普通、駅前にはパチンコ屋があるものですが、この駅前にはありません。夢中になって乗りそこなうとあとが大変だから卓球場なのか。
到着後、直ちに夫の友人宅めぐりの旅へ(おいおい、休みなしかよ)。しかも徒歩。
道すがらふと見ると、お国なまり激しく以下のような標語が。
念のため標準語に直すと、左が『だめですよ、シートベルト未着用は』、右は『川(正しくは河原ですが)でごみを焼いてはいけませんよ』と言う意味になります(意訳です。微妙なニュアンスが表現できないのは、どこの方言も同じ)。しかし、後で姑に『川でごみは〜』の話をしたところ、姑が『ちょっと前(それがどのくらい前なのかは謎。ちょっとそこ、が20キロぐらい離れていたりするので)まで生ゴミは川に捨てとったがになぁ』と言ったときに一瞬、『食物連鎖』とか『腐葉土』『川コンポスト』などの単語が頭をよぎりました。川をよく見ると、ホタテ貝がいたり、あまりに小さすぎて洗濯中のおばあさんに拾ってもらえなかったミカン太郎がいくつも淀みに浮かんでたりします。
最近私は、ここの言葉を徐々に操れるようになり、トリリンガル化(神戸〜北大阪〜滋賀あたりの関西弁、神奈川県央弁、そしてここ)が進行しています。ちなみに関西弁の応用で7割ぐらいはOKの当地ですが、最初、『がいなぁ〜 → 凄い〜、びっくり〜』と『こわい → つらい』などは夫に意味を聞くまで全然わかりませんでした。
次に目にとまったのはこれ。
お〜い、大洋ホエールズとかロッテオリオンズなんて何年前の球団だぁ。ここは、いま流行りのスポーツグッズ店ではなくて、ただの帽子屋さん。それも注文生産の店ではなく、本当に既製品の帽子だけを売っている今どき珍しい店。あと10年ぐらい経てば、ホエールズ帽子とオリオンズ帽子はレアアイテムに進化してマニアが押し寄せるかも。
どんどん歩く。だんだん辛くなってきた。
この平和そうな街にも、何か揉めごとのにおいが...平和だからこそ、かも。行脚終了、夫の生家へ向かう。
その前にスーパーへ行って、夜食のお菓子などを買い込む。チョコエッグがあった。前回に懲りて『もう買うもんか』と思っていたが、箱には『ペット動物コレクション』の文字が。『だったら絶対かわいいのが当たるから買ってみよう』と、2個ほど購入。
夫の生家に着いてから、一つ目をかじると、
また、爬虫類.... チョコエッグの神様の意地悪...一覧表を見るとトカゲ・蛇系はこれしかない。『年末ジャンボ買っときゃよかったか』との思いが頭をよぎる。
2個目はゴールデンレトリバー。初めてまともなもの。次は文鳥かセキセイインコ当てにいくか、という欲望がちょっとよぎる。
ペットといえば夫の実家のペット、雑種犬のボッチと烏骨鶏のピー子は元気だった。
ボッチはちょっと衰えが見えかけたが、ピー子はいたって元気(烏骨鶏の寿命っていったい...?)、家に上がりこんで『ダメ!』といわれると『コッ』と一声鳴いて出て行くし、餌のありかに人間が手をやると首を伸ばして見ているしで、『意外と賢いじゃん、鳥頭って嘘?』とも思ったが、やっぱり歩きながら思考をすることが出来ないらしく、餌を持った夫を追いかけていたくせに、2mぐらい歩いたところで、追いかけていた理由を忘れて地面をついばみ始めたのには笑った。
ところで、夫は結婚した当初、頻繁に冷蔵庫を開けては全食品の賞味期限をチェックして、1日でも過ぎると『食べるな!捨てろ!』と大騒ぎするのにびっくりした。
臭わない・糸引かない・色変わらない・包装が膨らんでない、ならOKだった家庭に育った私は、そんな夫がうるさくてかなわなかった。たまに賞味期限切れのものを食べさせても、おなかを壊さなかったし(が、どうも男性は胃腸が女性より弱いらしいので、実家ではOKだった『ちょっと恐い系』は私が食べている)。
で、『そんなに私を信じられないのぉ』と腹立たしく思って過ごしていたのだが、結婚して最初の帰省の時、夫は実家の冷蔵庫でも同じことを始めたのを見て謎が解けた。姑は異常に物持ちのいい人だったのだ。
今回はその冷蔵庫内を撮影して『奥様冷蔵庫バトル』にでも投稿しようかいなと思ったのだが、なんと、つい先月冷蔵庫を新調したそうで、その際、中身の大整理を敢行したらしい。あてが外れた(しかし、冷蔵庫新調と同時に、冷凍専用冷凍庫を新たに購入してあったので、5年後ぐらいには面白いものをご紹介できるはず。フリーズドライ化した冷凍食品とか)。
『うーん、つまらんなぁ』とふと見ると、夫が戸棚を開けてゴソゴソ探っていた。手招きするので近寄っていくと...
どちらも中身がある重さなのに、缶を振っても音がしない。固まっている。よくやっちゃいますよね。こういうの。よくある話ですね。次に夫は『ここが怪しい』と、冷蔵庫から一番遠い戸棚を開けた。
ここは調味料庫のようだ。
どんどん、凄みが増していきます。こんな環境で育ってよく『僕は胃腸が弱いから』と言えるもんです。よく、『結婚記念日のワインを開ける』なんてのがありますが。『これ、結婚記念日のりんご酢。この日の為に取っといたんだ』といわれて渡されたら嫌かも。
バニラエッセンス。こいつはよくやります。お宅の冷蔵庫にも入っていませんか。実家でもよくやりました。『でも、香りさえつけばOKだし2、3滴だから大丈夫』って言って使っちゃう率も高いです。唐辛子、胡椒もそうですね。ビンが小さいもんだから、あるかないかわからなくて、とりあえず買っちゃって古いのを忘れちゃうのが、よくあるパターンです。で、真打登場。
たぶん1961年じゃなくて、昭和61年だと思います。思わずにはいられません。この年に生まれた子供は、凶悪事件起こしたら今年四月から刑事事件として裁かれたりするんですよ。とりあえず姑の名誉のために付け加えておくと、これらは単に忘れ去られているだけで、今でも使っているわけではないようです
帰る日。空港で何ぞおもしろいモノはないかと売店を隅々まで見てまわる。
四国限定・阿波踊りリカちゃん。右の女踊りリカちゃんは夜鷹に見えてしまうんですが。この他に出雲行きで買えなかった『JASジェニーちゃん』の縮小版も購入。
手書きのポップに注目。文字の配列からすると、本体のロゴにあわせてわざわざ逆に書いたのだと思うんですが、もしかして『式マクサ スプッロド』という商品名だと思っていたりして。でも、この『火垂るの墓』のキャラクター使った缶、あの映画を見れば見ただけ買う気にも食べる気にもならなくなると思うんですけど。どうでしょう?
さて、四国においでになったことがない方々、上の渦巻きは何のキャラクターでしょう?鳴門の渦潮をキャラクター化した『ナルトちゃん』?(余談ですが横浜には『ギョウザちゃん』と『シューマイちゃん』という有名キャラクターがあります)
でも、ストラップには『TARUTO』と書いてありますね。けれどタルトといえば、普通、ちいさいパイにフルーツなどを盛ったケーキの一種ですね。こんなタイガース色の渦巻きではありませんね。
しか〜し、四国を侮ってはいけません。四国では(九州の一部でも)『てんぷら』は魚のすり身を揚げたものだし、『こしょう』は胡椒ではなくて唐辛子。そして、かの地でタルトといったらこれ、一六タルト。
空港でまず迎えてくれる(着陸したとたんに眼に飛び込んでくる)のが『母恵夢(ポエムと読む。ボエムと読むと愛媛県人に怒られるぞ。ひよこ系のお菓子。でも、ひよこよりずっとしっとりして、洋風で、おいしい。是非ご賞味を)』とこれのでかい看板。かすてらには砂糖が振りかけられ(噛むとジャリっというぐらい)餡にはほのかにゆずの香り。なれるとお茶菓子としておいしいのだが、かの地ではなぜか皆(年齢が高くなればなるほど)厚く切って出してくださるので食べ終わるとちょっと頭痛が。
舅が幼少の頃、あぜ道で(たぶん農作業の合間に)お茶を飲みながらこれをまるまる一本食べている人を見て『僕もおおきくなったら一本まるまる食べてやる』と思ったほどのあこがれのお菓子だったらしい(砂糖が貴重品だった時代ですね)。その後、舅は初月給でまるまる一本買って食べたらしいが、『あれは1本食べるもんやないな』だそうです。
と、いうことで帰ってきました。