日本の歩き方

日本語学習マンガ


千葉ロッテ・マリーンズが日本シリーズで優勝した瞬間を見届けた後、ウラで録画していた『トリビアの泉』のビデオを一人で見ていた夫が『ぎゃ〜やられた〜』と叫ぶ。

なんだなんだと寄っていったところ、夫、本棚をかきまわして一冊の本を出してきた。

ずっと前に見つけて、そのうち『日本の歩き方』で取り上げようと思っていたら、わが家の天敵(向こうは一ミリもそうは思ってはいないでしょうが)フジテレビに先を越されてしまったようです。

番組で取り上げられた状況は以下の通り。

(ナレーション)
外国人向けの日本語学習用参考書には、ネガティブな日本語ばかり教える漫画がある。
(ナレーション)
こちらが、アメリカ・ヨーロッパで参考書としては異例の3万部を売り上げた「13 Secrets for Speaking Fluent Japanese」である。
(ナレーション)
その中には・・・
(ナレーション)
イラストとともに日本語の単語を分かりやすく紹介したものや・・・
(ナレーション)
日本語の口語的表現を学びやすく解説したものなど、様々な工夫が凝らされている。
(ナレーション)
そしてこちらが、ネガティブな日本語ばかり教える漫画、「If... The Adventures of a Gaijin in Tokyo」である。実際にその内容をご覧下さい。
(ナレーション)
物語は主人公のジムが大学の授業で日本に興味を持つことから始まる。
教授: ニッホン ニ、ゥリュガクシ ナイト、ホントウ ノ、ニッホンゴ ヲ、オボエ ゥラゥレマッセ〜ン。
ジム: ニッホン ニ、イクトスゥルト、ドコガ、オモシゥロイデスカ?
教授: ダイトカ〜イヘ、イクト、オオゼイノ、サゥラリーマン ィヤ、オゥエゥ ガ、イマス。
(ナレーション)
こうしてジムは、日本に留学することに。
ジム: アパート ガ、セマク ナケゥレバ、イイノニ。
ジム: ゴキブゥリ ガ、イナケゥレバ、イイノニ。
ジム: コンデ イナケゥレバ、タノシイノニ。
(ナレーション)
そんな中・・・
(ナレーション)
ジムはナオコという女性に・・・
(ナレーション)
一目惚れをする。
ジム: ヒマ ダッタゥラ、イショ ニ、コエン ヲ、サンポ シッマセンカ?
ジム: モシ、カゥレシ ガ、イナケゥレバ、ワタシノ カノジョ ニ ナテ クラサーイ。
(ナレーション)
そして恋人どうしに。
(ナレーション)
幸せな日々を・・・
(ナレーション)
送っていた。
(ナレーション)
そんなある日・・・
謎の男: 時間があったら・・・
謎の男: いっしょに食事でもしませんか?
ジム: タカカタゥラ、ボク ハ、イケマセン。
謎の男: 大丈夫。私が払いますから。
ジム: ヤスケゥレバ、フグ ハ、アブナイデス。
謎の男: だけど、高ければ安全です。
謎の男: 食事を残すと失礼ですよ。
(ナレーション)
その頃ナオコはジムの部屋を訪れていた。
ジムの声: Seven thirty PM. I've gone to dinner at Shishi Fugu. Back late.
ナオコ: 評判が悪いあの志し屋に行ったなら、危ない。
(ナレーション)
ジムの身を案じ・・・
(ナレーション)
急ぐナオコ。
(不安をあおる音楽)
ナオコ: はっ、じぃむぅ!!
ジム: まくどなるど ニ イケバ ヨカッタ。
(悲劇的な音楽)
(ナレーション)
そして、ジム死亡。
ナオコ: あなたがふぐを食べなかったら、私はひとりぼっちにならなかったでしょう。
(ナレーション)
この本の著者、ジャイルズ・マリーさんはこう語る。

ジャイルズ・マリー: Well, I think, for foreigners who come to Japan, uh, hypothesis, uh, sentences like "if such and such happens, then such and such happens" is one of the most difficult parts of grammer to master.
 

ジャイルズ・マリー: And the idea was that by making a manga, (このあたりから、スタジオの品評者が「起こりがち!?」という仰天する大声と笑い声がかぶさって聴こえなくなる) and introduce greatly common sentences after this (このあたりまでよく聴こえない),
ジャイルズ・マリー: in a very easy to understand and enjoyable, approachable way.
(ナレーション)
外国人の皆さん、日本語の勉強は前向きにお願いします。
テレビで取り上げられたのはここまで。でも、実は本当のエンディングが...

そのテレビで放送できない真のエンディングとは...

夢オチというか、『死霊』オチというか... 病院に入院しちゃってます。それも心療系。

う〜ん、このオチは地上波テレビでは無理かぁ... NHKでポアロとマープルがアニメ化される時に、『ああ、”鏡は横にひび割れて”は絶対出てこないだろうなぁ』(いや、推理小説としては”ぬるい”かもしれないんですけど好きなんですよ、この作品)と思ったもんです。そういうテレビ局の良心が遺憾なく発揮されたんでしょうか?

ちなみにジムを誘った怪しげなおやじ。

    『外人好きホモのナンパ?』
    『ふぐ毒で外人を殺したがる旧軍の亡霊?』
    『安いフグ屋さんに行くのが不安で、とりあえず見ず知らずのガイジンで実験?』

などの疑惑がまとわりつきますが、本当は...

放送ではセリフがトリミングされちゃったんで、怪しげに見えますが、ただ、英語を勉強したかったようです(いや、その前に風体が怪しすぎですが)。
 
なもので、ジムが苦しみ始めたらマジびびり。でも、逃げちゃだめだよなぁ。

とりあえずガイジンさんには、この本で勉強して『タダ飯、タダ酒は恐い』と学んでいただければなぁと、思います。

ちなみに、この本にもこの項目が。

その75:肉じゃが』に続き、またもやこのダジャレ。

なんか、『肉じゃが世界征服委員会』とかいった秘密結社の陰謀みたいなものをひしひしと感じるなぁ。


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