日本の歩き方

フジテレビ:世界が見たNIPPON


フジテレビの『世界が見たNIPPON』(2004/12/31 00:00〜00:50放送)という番組から。
    

    

    

実は放送の前の月に、ここ『日本の歩き方』をご覧になったこの番組の制作会社のかたから、メールをいただいたんですよ。『ガイドブックや教科書を貸してほしい』というご依頼のメールを。

でも、考えた末にお断りしました。友達に本を貸すと、戻って来ないことが多いですよね。まぁ、仕事でやってらっしゃる方々だから、そういうことはないだろうとは思うんですが、万が一ということもあるし、どのガイドブックやパンフレットも、それを見つけた時の私や夫の思い出と結びついているものなので、ちょっとでも心配のタネになりそうなことは避けたいなぁ、と。

それに、日本に帰ってきてから分かったんですが、アメリカ在住時代にその面白さに気付いて買い始めたガイドブック、ほとんど日本でも売ってるんですよ。丸善とか紀伊国屋とか有隣堂とかの洋書売り場で。そういう日本でも簡単に入手できるものを、わざわざ私がお貸ししなくても、番組作りには支障ないだろうとも思ったわけです。

なもので、ご依頼は丁重にお断りしました。

でも、番組のテーマ自体には大いに興味を引かれたので、放送を拝見することに。

そうしたら、びっくり。なぜびっくりしたかは、以下をご覧下さい。

(ナレーション)
2004年、世界で2000人にアンケートをとりました。
(ナレーション)
日本は好きですか?
(マイクを向けられた各国の人々)
「Yes」
「Yes」
「○☆※§∀」
「Yeah」
「Yes」
(ナレーション)
なんと、好きと答えた人が2000人中、1422人。
うーん、嬉しい。
(ナレーション)
日本への出入国者数上位ランク国の中から、イギリス・フランス・タイ・アメリカ・中国など、13カ国2000人にアンケート調査を実施。
(ナレーション)
その結果、いくつかの項目で高い評価を得ました。
(ナレーション)
例えば、「賢そうな国」では・・・ダントツの1位。
司会・加藤浩次 「1位なんですよ、これ。これは凄いですよね。」
ゲスト・湯浅卓 「いやぁ、まぁ、素人の意見です。」
司会・加藤浩次 「素人の意見!」
司会・中野美奈子 「いや、アンケートとってますよ、ちゃんと。」
(ナレーション)
さらに、「結婚したい国の人」でも・・・なんと1位。
司会・加藤浩次 「1位ですよ、これは凄い。」
司会・中野美奈子 「ダントツですよ。」
ゲスト陣:大騒ぎ
ゲスト・KABA.ちゃん 「え? その、真ん中の人たちにはアンケートとってないんですか?」
司会・加藤浩次 「ごめんなさい、今回はそれはしておりません。」
(ナレーション)
2004年、日本は海外でどう見られていたのか。
世界が見たNIPPON!
 

(CM)

(ナレーション)
世界が見た、日本で知っているものは?
イギリス人 26歳 「お辞儀して相手に敬意を払うよね」
オーストラリア人 42歳 「東京の高層ビルかな」
フィンランド人 27歳 「日本人は礼儀正しいわね」
トルコ人 23歳 「天プラ」
フランス人 24歳 「聖闘士星矢 ドラゴンボールZ」
アメリカ人 29歳 「(日本語で)こんにちわ どうぞよろしく」
フィンランド人 34歳 「スモウレスラー」
イギリス人 23歳 「チョンマゲ ヘアースタイル」
(ナレーション)
相変わらずの日本イメージが並ぶが、あまりにも幅の広い回答。
そこで、あらためて日本の習慣に絞って聞いてみると・・・
フランス人 58歳 「茶道や生け花を体験した事があるけど シンプルで美しいわ」
フィンランド人 19歳 「箸を使って食事するのって かなりのテクニックが必要だよね」
イタリア人 32歳 「男性と女性が一緒にお風呂入るんでしょ 私も旦那と入りたいわ」
(ナレーション)
圧倒的にお辞儀の知名度が高い。
そしてランク外には不思議な回答も。
アメリカ人 22歳 「お正月には学生が手紙を配達する習慣があるんでしょ?」
まさか、『日本の歩き方』の『その29:お正月』で取り上げたあれか?
(ナレーション)
正月に学生が手紙を配達する習慣?
これはいったい何のことを言っているのかと調べたら、この「JAPAN」という教科書でしっかりと紹介されているのだ。
(ナレーション)
「年賀状を配達するために大勢の学生アルバイトが雇われます」
(ナレーション)
確かに間違ってはいないのだが、こんな情報までもが掲載されているとは。
やっぱり。

それから、この本は『教科書』というより、ふつうの本屋さんに置いてあるこども図鑑みたいなもんです(ひょっとしたら、副読本として使っている学校があるかもしれませんが)。

(ナレーション)
他にも日本を学ぶ教科書はまだまだあった。
こちらはシンガポールで見つけた教科書。
(ナレーション)
内容はというと、男女の日常会話を通して日本語を学んでいくというもの。
いったいどんな日常会話を参考にしているのか。
一部を覗いてみることに。
(ナレーション)
レッスン1、初デート。
 男 「お酒、飲む?」
 女 「乾杯!」
 男 「イッキ!イッキ!」
 女 「酔っ払ってきちゃった。」
 男 「割り勘にしよう。」
 女 「頭がすっごく痛い。」
 男 「最終電車、何時?」
 女 「絶対間に合わない。」
(ナレーション)
と、二人の仲は急展開し、レッスン2ではこんな結末に。
 女 「あたし妊娠してるの。」
 男 「本当に僕の子?」
 女 「責任をとって。」
 男 「もう1回検査してみて。」
というふうに、妙にリアルなシチュエーションで日本語を学ぶ教科書でした。
これは『その30:男女の会話』で取り上げた会話集(これも、学校で使う『教科書』じゃないです)。

それから、字幕スーパーで『シンガポールの教科書』と紹介されてますが、違います。確かに奥付には Printed in Singapore とありますが、シンガポールでは印刷しただけで、実際には日本の会社(タトル商会)が編集・出版してます。出荷先はたぶん大部分がアメリカです(わが家もアメリカで買ったし、夫によるとアメリカに出張して本屋さんを覗くと、半分ぐらいの確率で見かけるとか)。

番組の最後に流れるエンドロールに、『協力』としてタトルの名前も出ていたので、番組スタッフはご存知のはずだと思うんですが...

まぁ、シンガポールも英語圏だし、シンガポールの本屋さんでも売っているかもしれませんが、『シンガポールの教科書』と言い切るのはちょっと無理があります。

というか、ガムを吐き捨てただけで捕まるような国で、こんな教科書使わないと思うんですが。いったい何の授業に使ってるんですか?

(ナレーション)
続いては、アメリカで売られているビジネスマン御用達の教科書。
こちらは、ヒアリングして学べるという優れもの。
  「Let's get tha ball rolling さあ、始めましょう」
  「That's just a ballpark figure どんぶり勘定」
  「Just bite the bullet その事には目をつぶって下さい」
ずいぶんといい加減な社員が多い会社のようだ。
(ナレーション)
そして遂には、
  「The company has gone belly-up 会社は倒産してしまいました」
一生のうちで一回使うか使わないかというくらいの日本のビジネス用語まで学べる貴重な一冊。
これは、『その71:ビジネス慣用表現』そのまんま。

こういう本まで教科書というのなら、本屋さんにある『企画書の書き方』とか『売れる営業』とか『困ったときのとっさのひと言:ビジネス英語編』とかも全部、教科書になってしまうような。

(ナレーション)
このように日本という国は教科書を通してさまざまな見られ方をされているようだ。
あ、画面右上にちらっと見えているのは、『日々是口実:フィンランド旅行編 第2日』で見つけて『その73:外来語』で紹介したフィンランドの英語の教科書(これは本当に高校で使われている教科書)ではないですか。そのうちこれが出てくるのか? と思っていたら...
(ナレーション)
しかし中には、日本についてこんなことを知っているという人が。
フィンランド人 24歳 「日本と言えば儀式的な自殺よね」

(ナレーション)
儀式的な自殺。これはいったい何のことを言っているのか。

フィンランド人 24歳 「ハラキリ 学校で教わったわ」

(ナレーション)
なんと「儀式的な自殺」とはハラキリ、すなわち切腹のことだという。
そしてこれも学校で教わったとのこと。
さらに・・・
 

やっぱり出た。これ と同じ。
フィンランド人 22歳 「スシっていう生魚と米の料理を食べるよね 学校で教えてくれたよ」

(ナレーション)
生魚と米?
 

フィンランド人 25歳 「盆栽を知ってるよ バケツの中で育てた小さな木だよね 学校で習ったよ」

(ナレーション)
バケツの中・・・?

あれ? 最後の25歳のお兄さん、ちゃんと、『 I know bonsai which is a small tree, which is growing in a small pot.』と言っているのに、字幕やナレーションが、わざわざ『バケツ』と間違えて訳して不思議がってる。フィンランドの英語では pot ってバケツのことなんですか? アメリカやイギリスの英語では、鉢とか壷とか瓶(かめ)とかいう意味なんですけど。

それにヘルシンキのデパ地下で、お寿司売ってましたよ。港のフェリー乗り場の近くの市場にはスシバーもあったし。ということは、上の22歳の青年、お寿司を売っていない田舎から首都ヘルシンキにやって来たばかりのおのぼりさん? 後ろに見えているのはヘルシンキ中央駅のホームのようだし。

(ナレーション)
正しいようで微妙におかしな解釈。
これらを学校で学んだという彼らは皆、フィンランドの若者だった。
そこで、彼らが通ったフィンランドの学校を訪ねてみることに。
(ナレーション)
フィンランドは、スカンジナビア半島の南部に位置し、森と湖に囲まれた北欧の小国。
治安がよく、生活水準や教育水準が高いことでも知られる先進国の一つである。
このフィンランドの学校では、いったい日本のことをどのように教えているのか。
(ナレーション)
ヘルシンキ郊外のオラリン高校を訪ねてみた。
(ナレーション)
さっそく日本の授業が行われているというクラスにお邪魔すると、日本の文化を学んでいるとのこと。
教師 「これは世界的にもよく使われる様になってきた日本語です ボンサイ 私の後に発音してみてください」
生徒 「ボンサイ」
教師 「ボンサイ」
生徒 「ボンサイ」
教師 「今日は丁度日本からのお客さんがいるのでこの機会に正しい発音を教わりたいですね」
現地コーディネーター(?) 「お願いします」
ディレクター 「えっ、俺が?」

(ナレーション)
ここで突然先生に指名され、日本語のお手本をみせることになってしまった当番組のディレクター。いま、日本を代表して日本語を披露する。

ディレクター 「盆栽」
生徒 「ボンサイ」
教師 「なかなか良いわね」

(ナレーション)
先生に褒められた。

教師 「では盆栽の意味はなんでしょうか? はいアナタ」
生徒 「バケツの中で育てた小さな木です」
教師 「はいそうですね バケツの中で育てた小さな木です」

(ナレーション)
盆栽のことをバケツの中で育てた小さな木と説明。
これは街頭インタビューの答とまったく同じ。
どうやら情報の出所は学校で間違いなさそうだ。
いったい教科書にはどのように書かれているのか見せてもらうと・・・

また出ました『バケツ』。pot のはずなのに

でも、よーく聴いてみると、確かに生徒は 『 Small tree in a bucket bowl 』、そして先生も 『 Okay, a small tree in a bucket 』 と言っている。(ちなみに、生徒が言った『 bucket bowl 』というのは、こういうもの らしいです。)

あれ? ウチにある2003年度版の教科書では、そこには 『 miniature tree grown in a pot 』とあるんですが、ひょっとして2004年度版ではポットじゃなくてバケツに改訂(改悪?)されてるのか?

(ナレーション)
まず内容を見る前にこの写真が気になる。
(ナレーション)
日本の紹介なのにもかかわらず、この写真の女性はなぜか韓国の民族衣装を着ている。
こうなると内容の方も不安になってきた。
そこで説明を見てみると・・・
このチョゴリへの突っ込みも『その73:外来語』と同じ。
(ナレーション)
盆栽を「バケツの中で育てた小さな木」
あ、ちゃんと今でも pot のままじゃん。なのに、なぜ先生も生徒も bucket と言ってたんだろう、とっても不・思・議。
(ナレーション)
寿司を「生魚と米の料理」
(ナレーション)
さらには腹切りを「儀式的な自殺」と、教科書にしっかり書かれている。
教師 「では次の芸者とは何でしょうか?」
生徒 「洗練された女性のことです」
教師 「洗練された女性 おしいですね」
教師 「芸者とは男性を楽しませる為に訓練をつみ洗練された女性のことです」
(ナレーション)
またしても微妙な解釈。
男性を楽しませるために訓練をつみ洗練された女性。
なんとしっかり書かれている。
このような教育を受けた子供たちに、あらためて日本のことを聞いてみると。
生徒 「日本人はボンサイを育てたりしているから細かい作業が得意なのかな? だからいつも部屋にこもってゲームやパソコンばかりしているんでしょ?」
生徒 「日本人って仕事のストレスで死んじゃうんでしょ? やっぱり死ぬ時はハラキリなのかしら  私には理解できないわ」
(ナレーション)
このように、彼らが使う教科書はちょこっと変わったニュアンスで日本を捉えるものの、ある意味、とてもリアルな情報だった。
ちなみに、これは英語の教科書です。フィンランド人にとっても外国語である英語を楽しく学ぶために、エピソードの一つとして日本が使われているだけで、地理の教科書で『日本はこういう国だ、日本の文化はこうだ』と教えているわけじゃないので念のため。まぁ、この教科書でニッポンの文化を初めて知るフィンランドの高校生も多いんでしょうけど。

それから、先生はゲイシャを『 Geisha was ・・・』と説明していたので、現代にはもういないと思っているようだ。

それにしても、わざわざフィンランドまでロケに行って、しかもゲイシャというネタも追求してきたんなら、なぜ ゲイシャチョコ を取り上げなかったんだろう。コンビニか空港の売店で買ってきて、スタジオのゲストに配って、

『はーい、どうぞ皆さんで召し上がってください』
『あ、美味しいねぇ〜』
『でも、なんでゲイシャなんだろう』
とかやるのがバラエティ番組なんじゃないかと。『ゲイシャチョコ』のネーミングの由来なんかも調べて欲しかったなぁ...ていうか、知りたかったなぁ。

日本語の名前がついていて、フィンランドのコンビニに必ず置いてあるものといえばもう一つ、薄餅(またの名を SUKI-SUKI) がありますね。これもゲストに配って、『はーい、どうぞ皆さんで・・・』とやって、KABA.ちゃんに『イヤ〜ん、これネタにして誰か、誘っ・ちゃ・おっ』、なんてコメントを引き出していただければ嬉しかったかも。

司会・加藤 「うーん、こりゃちょっと、合ってんだけど微妙に違うみたいなねえ。違うんだけど合ってような気もするというね。」
(ゲスト陣と司会、芸者の話で盛り上がる)
司会・中野 「でですね、そのフィンランドの授業でやっている日本のお勉強に、皆さんにも挑戦してもらいたいと思います。」
司会・中野 「まずはこちら、録音された伴奏に合わせて歌うこと、何でしょうか」

(ゲスト陣と司会、カラオケの話で盛り上がる)

司会・中野 「続いてはこちら、家庭やスポーツで使われるマット」

(ゲスト陣と司会、畳の話で盛り上がる)

司会・中野 「さらにですね、日本はこんな分野でも大人気なんです。こちらVTRご覧ください。」

夫とほぼ同じ訳。カラオケの方は訳し方にかなり幅が出そうな表現なのに、まったく同じ。

まぁ、夫と同じ共通一次世代なのかも、この訳をされたかた。『規格品製造試験』なんて言われてましたもんね、あの試験世代。

(ナレーション)
世界が見た、観光で行ってみたい国は?
(ナレーション)
なんと2位のアメリカ、3位のオーストラリアを凌いで日本が堂々の第1位。
そんな日本に訪れる外国人は毎年500万人以上。
しかし彼らは近年の日本でいったい何をしたいのか。
イタリア人 41歳 「日本に行きたいわよ 新幹線に乗りたいわ」
タイ人 23歳 「ファッションを見たり女の子を見たりしたいよ」
アメリカ人 18歳 「買い物がしたいわ 靴が欲しいのよ」
ロシア人 27歳 「日本の家庭に入って若い人の生活を見たい」
(ナレーション)
と意見は様々だが、日本に行きたい外国人にとって頼りなのが旅行ガイドブック。
そこで外国で出版されている日本のガイドブックを調べてみると・・・
今度はガイドブックですか。
(ナレーション)
そこには驚くべき日本の紹介が記されていた。
まずは、日本で観光すべきお勧めスポットを東京を中心に見てみよう。
各国のガイドブックに必ず載っている観光スポットといえば、浅草寺、秋葉原電気街に、原宿竹下通りなど、いたって定番。
と思いきや、中にはこんなお勧めスポットが。
う〜ん、この『海の家』始めた時に、『日本に帰ったら、成田空港で、”あなたのガイドブック見せてください” ってのやりて〜』とか思ってたんで、そういうアプローチだったら面白いかなぁ〜、とか思って見てたんですが。
(ナレーション)
イギリスで出版されたガイドブック。
(ナレーション)
まずはこちらのレコードショップ。
言わずと知れたタワーレコード、と思いきや、トワーレコドズ?
(ナレーション)
続いてこちらはヴァージンメガストアなのだが、ベルジンメガストルー?
(ナレーション)
そしてご存知、東急ハンズは、東危ハーンズになっていた。
これは3つとも、『その69:東急ハンズ』でご紹介したものとまったく同じ。
(ナレーション)
よほど翻訳に苦労したとみえるこのガイドブック、間違いを追求するのはやめにして、続いては、世界が見た食べ物が一番美味しい国といえば?
(ナレーション)
豊かな食文化を誇るイタリアと中国を抑えて日本が世界一。
では彼らは日本の食についてどんなイメージを持っているのだろうか。
ロシア人 41歳 「歌舞伎という毒の魚を食べてみたい」
ブラジル人 11歳 「スシが動いて回るレストランに行きたい」
アメリカ人 52歳 「一番好きなのはテリヤキソースだね 俺はなんでもテリヤキソースで作るんだよ  それは日本のだろ?」
オーストラリア人 19歳 「スシね 本物のスシを食べたいわ」
(ナレーション)
と様々な意見が飛び出した日本の食文化。
世界のガイドブックには、どんなふうに書かれているのだろうか。
(ナレーション)
まずはグルメの国、イタリアのガイドブックから。
(ナレーション)
日本で食事をするための最高の選択は「そばレストラン」と「ラーメンショップ」です。
ここで初めて、『日本の歩き方』では紹介していないガイドブックが登場。

でも、蕎麦屋とラーメン屋は、ある意味、最高の選択なのは確か。なんせ、『ジャパニーズ・トラディショナル・ファーストフード』だし。

(ナレーション)
続いてはアメリカで出版されている「JAPAN HANDBOOK」。
(ナレーション)
意外と日本人は納豆が嫌い、などと書かれている。
これは『その4:納豆』と同じ部分。せっかく面白いオチがついている箇所なのに、それには触れていないのが、ちょっと残念。
(ナレーション)
同じくアメリカの本から。
あ、これは大きな書店の洋書売り場(の日本文化コーナー)には、必ずといっていいほど置いてある、定番中の定番ですね。
(ナレーション)
しゃぶしゃぶは沸騰したスープの中に牛肉を入れ、「しゃぶしゃぶ」と言いましょう、などと書かれている。
(ナレーション)
若干誤解もあるこの本、中にはこんな記述も。
ふぐの人形がぶらさげられた店は、毒のあるふぐを出してますというサインです。
(ナレーション)
と、なんと間違ったことまで書かれていた。
え? どこか間違ってます? というか、よく読むと別に間違ってないと思うんですが。
ナレーションでは『ふつうは毒を取り除いて出すが、この人形をぶらさげている店は毒を取り除かずに、毒アリのフグを出している(そんなことはありえないから間違っている)』ということにしてますが、英文ではちゃんと『表にこれがぶらさげてあるのは、フグという毒のある魚を食べさせる店だというしるしだ(夫訳)』と書いてあります。

pot がバケツになっている件といい、どうも話を面白くするために、わざと訳を間違えているような気が...

(ナレーション)
最後は、グルメ大国中国のガイドブック。
日本通を自称する記者が、東京の三つの街でとっておきのお店を紹介している。
はたして中国のガイドブックが一押しで勧める日本食のお店とは?

(CM)

(ナレーション)
最後は、グルメ大国中国のガイドブック。
日本通を自称する記者が、東京の三つの街でとっておきのお店を紹介している。

(ナレーション)
まずは上野から。
すし食べ放題、伊太都麻。
現在は寿司倶楽部に店名変更。食べ放題で外国人に大人気。
(ナレーション)
続いて渋谷からは富士そば。
こちらは、外国人観光客にはかなりの有名店。
(ナレーション)
そして新宿では、こちらの新宿三丁目牧場。
店内はいつも、お客さんで溢れている。
しかし観光客は、本当にガイドブックを参考にしているのだろうか。
新宿三丁目牧場支配人 「こちらに来るお客様のだいたい8割くらいの外国の方がそちらをお持ちいただいていますので、えー、認識しています。ほとんどの外国の方はみなさん中国の方がほとんどですね。」
(ナレーション)
ガイドブックの影響力の大きさを見せつける一例であった。
さらにガイドブックには日本滞在中のトラブルを避けるため、こんな注意を呼びかけている。
(ナレーション)
それがこちらの、イタリアの本。
(ナレーション)
タクシーの乗り降りの際、ドアに触れてはいけません。
ドアは運転手によって操作されるので、もしも手で開け閉めしようとすると
運転手に厳しくとがめられます。
外国人の皆さん、日本においでの際はご注意を。
司会・加藤 「いやこりゃ微妙ですよ。」

(ゲスト陣と司会、富士そばの話で盛り上がる)

司会・中野 「ではここで、各国で出版されているガイドブックの中から日本人に関する記述を集めました。当たっていると思うかどうか、手元の○か×かの札で判定してください。では、問題どうぞ。」

(ナレーション)
日本人は時間にルーズだ。
ハチ公やソニービルの前には、いつも大勢の人が誰かを待っている。
(スタジオ内、盛り上がる)

(CM)

司会・中野 「さあ、では続いてこちらの問題です。」

(ナレーション)
日本人はただ待つことができず、すぐゴルフのスウィングをしたり、首や肩を回す。

(スタジオ内、盛り上がる)

これらはいずれも『日本の歩き方』以外。

タクシーのドアを自分で開け閉めしちゃだめ、怒られるよ、というのは、わりと沢山のガイドブックに載っています。

ガイドブックや教科書の話はここまで。全50分の番組は、ここで24分ちょっとが経過、つまりちょうど前半終了。

後半のネタは、大きく4つ。

ガイジンさんから見た日本人のイメージ
(外国人2000人にアンケートした結果、らしい)
トルコの日本モノ
(100円ショップが「ジャポン・バザール」と呼ばれているとか、ビーチサンダルが「トウキョウ」と呼ばれているとか、衛星アンテナに「キョウト」という商品名があるとか)
ニューヨークやロンドンで流行している漢字のタトゥー
(「妹」のつもりで「未」と彫ってある、といった勘違いも)
おかしな日本語をあしらったタイのTシャツ
(これは「アジアのいかしたTシャツ」さんが協力していたようだ。)
このあたりは夕方のニュースや夕刊(かつての 山中特派員 とか)あたりでもよく取り上げられていますね。

そしてエンディングは妙な日本人が登場するブラジルのCMで締めくくり。

(ナレーション)
突然ですが、ブラジルのCMです。
ブラジルでは日本人はこんな感じなんですねえ。

(ガソリンスタンドに入ってきたクルマのボンネットを開けると、日本人がピストンのように上下していて、口々にポルトガル語で何かを訴えている。オイルを入れると、満足そうな顔をして、発音がちょっと怪しい日本語で「サシミ」「テンプラ」「ミソシル、ネ!」と言う、というCM。)

最後の最後にはこういう告知が。
(ナレーション)
世界が見たNIPPON。
海外に出かける方、ぜひ情報をこちらまでお寄せください。
お寄せください、だそうです。

で結局、ガイドブックや教科書として番組で取り上げられたのは10冊。

        

        

そのうち6冊は、『日本の歩き方』でご紹介済みのネタそのまんま。
う〜ん、いくら深夜の年末隙間系番組とはいえ、ワタクシより高学歴で高収入の方々が作られているであろう、この番組。わが家と同じガイドブックを使っても、もっと面白いところをたくさん発見できたでしょうに(下請け制作会社でも、就職難の昨今、それこそ英検ん級とかTOEICハイスコアの方々がうなるほどいらっしゃるだろうに)...

中年主婦の、がっちがちの死にかけ脳味噌なんかで考えたアプローチより、より柔軟な脳味噌の方々(だって、そういう基準で就職試験や面接をして採用された方々がそろってるんですよね、テレビ局や番組制作会社って。私は半ばコネに近い教授推薦で受けた一般事務員という名の、『消耗品』『嫁候補』扱いの『女子』を採用するための、ぬるい就職試験しかくぐり抜けてません)が揃っておられるのだから、より新しい地平が見出せたでしょうに...

年末進行って、ここまで切羽つまっちゃうもんなんでしょうか? なんか胃が痛くなってきた。

で、スタジオにはこんだけゲストがいたのにもかかわらず、皆さんちょろっとしか喋らなかったのが残念。もっと小倉優子しゃべらせろよ〜


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