日々是口実 2003年盛夏
フィンランド旅行編 第1日

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某月某日
フィンランド出張から帰ってきた夫がいきなり、『夏休みはフィンランド旅行へ行くことにしたから』と言い出す。

『ふざけんな!! 何を言い出す!! 夏はまったり、部屋の片づけすんじゃないのかよ!!』と怒鳴ると、『もう、向こうで飛行機予約してきちゃったよ〜ん』と言うではないか...

『だって、すごく気に入ったし〜、日本から一番近いヨーロッパだよ〜ん』とかも言う。飛行機乗ってる時間はそうだが、料金が...それも夏休み料金...

しかし、夫は馬耳東風。着々とホテルだのタリン行きフェリーだのを予約している(謎の会社から封書が届いたり宅急便が届いたりしてびびって、そこが怪しい会社でないかと何回ネットで検索したことか...)。夫、妻が後戻りできないよう退路を絶っている模様。

でも、初ヨーロッパがフィンランド... ドイツとかイタリアがよかったなぁ...

でも、夫、個人旅行しかしたことない(修学旅行を除くと、唯一の団体旅行は初海外旅行でもある新婚旅行先のオーストラリアでのオプショナルツアーだけなのだ、この人。まぁ、何より自分のペースで動きたい人なので、新婚旅行を団体旅行にしたら成田離婚してるとこだった)し、海外では犬と同じで、自分のニオイをつけたとこじゃないと旅行したくないらしい。

え〜、フィンランドぉ〜? え〜と、ムーミンと、ノキアと、キシリトールガムと、ゲイシャチョコ(最新のフィンランド知識)の国〜。神奈川県民(だけ)には有名な弦念丸呈さんの故郷だったっけか?

あと、フィン人ってすげーでかいんだっけ?...それだけじゃ1週間どう過ごせばいいんだぁ〜

とりあえず、そういう時は書物にあたるかねぇ、と紀伊国屋で検索してみたら、でてきたのがこれ。

 
いや、この監督(カンヌ映画祭で賞をとって、ナンシー関画伯もファンだったらしいです)は全然知らなかったんですが、レニングラード・カウボーイズは知ってるぞ。

そうか、レニングラード・カウボーイズの原産国か、フィンランド。

ていうか、第6巻のトータル・バラライカショー、これ、夫も大好きな赤軍合唱団(夫は赤軍合唱団が旧ソ連国歌を歌っているCDが欲しくて神田や秋葉原を探しまわって結局見つからず、アマゾンでフランス版を買っていた)と競演してんじゃないかぁ〜、これは買いだ!と思ったら、トータル・バラライカショーだけ単体売りはしてなかったので、泣く泣くBOX買い。

日本で唯一の、動く赤軍合唱団のDVD(NHKが来日時の映像と『地球に乾杯』のクルスク追悼の回をDVDにして出しくれるなら話は別だが。なんで、トータル・バラライカショー、ビデオ化の時は単体売りなのにDVDにした時は単体売りしてくれんのだぁ)。

すごいよ、赤軍合唱団。いや、何十年か前、NHKで来日公演の映像を見たときは、『ソ連=科学的トレーニングを積んだ悪の超人集団の国、仮想敵国』とか思ってたんで、『なんか面白くなさそうに歌う人たちだなぁ』程度のイメージしかなかったんですが(そのくせ、戦後日教組教育の賜物か、なぜかロシア民謡を3曲以上は知っている私たちの世代)、このDVDに収録された、ソ連崩壊直後の赤軍合唱団のおじさまたちの歌声と笑顔が、ハートわしづかみ。

世界遺産に推薦したいほどの声量。軍人さんがこれほど歌えちゃうっていうのはソ連の底力なのか、ソ連崩壊の一因なのか...

で、つらつらとレニングラード・カウボーイズのホームページを見たら、なんと、今回の旅行でフィンランドを離れるその日の夜に、10年ぶりの赤軍合唱団との競演『グローバル・バラライカショー』がヘルシンキで行われるらしい。

わ〜ん、見れないじゃん。『まぁ、しょうがないから、トータル・バラライカショーのCDでも買いに(このCDが日本で出ていた時にはレニングラード・カウボーイズにも赤軍合唱団にも興味がなかったもんで)行って、この赤軍合唱団のおじ様たちの立っている階段で写真でもとるかね。大きなイベントみたいだから、赤軍合唱団グッズの出店もあるかも』と、とりあえずフィンランドへ行く目的を設定。

そして出発。

初めてのヨーロッパ系の航空会社、フィンエアー。エコノミーの機内食は選択権なしの1種類のみという潔さ(予約時にベジタリアンとか宗教的な理由で特別食をリクエストした人は除く、と思う)。

で、夫が凄く気に入ってたのが、『安全のしおり』に登場している、このCGのおばさん。

  
夫曰く、『この、ほお骨の高いところが北欧っぽい』とのこと。

私はそれより、『エコノミー症候群(今はなんか違う正式名称がついたんですよね)防止体操』のビデオの兄ちゃん(っていうかヒューマノイドタイプの何か)に釘付けでした。

機内誌は日本語版、フィンランド語版、英語版の3つも各座席に置いてある。

そのうちの英語版にも登場してました、レニングラードカウボーイズ。
  
うわぁ、見に行けないのがくやしいよぅ。

で、わずか9時間でフィンランドはヘルシンキに到着。空港のタクシー乗り場にはベンツばっかりなのにびっくり。しょうがないので、生まれて初めてベンツのバンに乗ってホテルへ。

ホテルのロビー隅にあったスナック自販機には、例のアレが。

 
ゲイシャチョコ。

こう、普通に売ってるところからして、このネーミング、奇をてらっているわけでも、日本人向けにウケをねらっているわけでもないのがよく判ります。じゃあ、何故ゲイシャ...

ホテルの部屋からの風景。ヘルシンキの駅が見えてます。

『逆光ぶりがアートでしょ』と夫、お気に入りの1枚。

 

 

インテリアはこんな感じ。

めちゃめちゃシンプルで、木の家具のデザインに北欧を感じます(いや、もしかしたら他の国でもこんなデザインの部屋があるかもしれませんが、初ヨーロッパで浮き足立ってますので、そこんとこよろしく)。

 
お風呂場はこんな感じ。

バスタブなしなんですね。フィンランドでは超高級ホテルじゃないとバスタブなしはあたりまえなんだそうです(そのかわりほとんどのホテルにサウナ部屋あり)。

で、この狭いシャワーブースはなに?と思われるかもしれませんが、このガラス、動くようになってて、自分の入れる幅に開け閉めするんですが、開けすぎると締まらなくなって、おまけにこのガラス重くて、へたに動かすと割れそうで結構ビビリながら開け閉めしてました。

そして、トイレなんですが、謎なのが便器の横の小シャワー。

夫の実家にあった『便器の汚れ落とし』? とも思ったのですが、ここのトイレは簡易水洗ではなく(あたりまえだ)、結構な勢いで流れるりっぱな水洗トイレ。その上、便器の陰で上の棒の部分しか見えませんがトイレブラシ完備なのです。

では、これはいったい?...と考えることしばし...もしやこれは妹尾河童さんの『河童が覗いたヨーロッパ』に出て来たビデ? それも簡易版?(え〜っと本がどっかに紛れ込んじゃったので確かめられないんですが、本式のビデは便器とは別に小さい便器みたいなのがあると書いてあったような気が)

でも、スイッチらしき取っ手を握っても水が出ません。『今やかえって不衛生だって言うんで使ってないのかもね』とか言ってたんですが、数日後、これが現役バリバリだということが夫の悲鳴とともに判明。

洗面所の水を流しっぱなししていた夫がふとしたはずみ(どういうはずみか謎)でこのハンドルを握ったところ、水が勢い良く(それこそ、便器の汚れ落しにも十分すぎるぐらいな勢いで)噴出してきたそうです。夫は『手を洗うように、まめに洗えってことなのか?』とつぶやいておりました。

ところで、ガイドブックでは『公共の場所でのトイレは有料』と書いてあったので、びびっていましたが、少なくともヘルシンキ市内でアカデミックな見物をする限り(え〜っと、博物館や美術館、ヘルシンキ最大のデパート・ストックマンとその隣の大型書店をぐるぐるするってことです)、トイレは無料でした(いや、博物館や美術館は入場料払っているので有料とも言えるが)。他にも、私が行った映画館もタダだったし、船乗り場もタダだったなぁ(もちろん、無料トイレはおっかないので、みんながわさわさ入っているところを狙って入りました)。

その他の(私がまわった範囲での)ショッピングアーケードや地下街では、トイレ有料でしたが、入ることはありませんでした。トイレが遠いと、こういうとき便利。『一度ぐらい経験しとけばいいのに』と夫は言ってましたが、ああいう、お金払うと開いたりするトイレって、なんかのはずみで故障して出られなくなったら、と思うと恐いもんで。結構『故障中』の張り紙が貼ってあるトイレ多かったし。

で、北欧を感じたのがこれ。

 
ホテルの各階のエレベーターホールにある椅子。

さすが家具や日常用品のデザインにぬきんでているお国柄を感じさせます。夫は『60年代末期から時間が止まってんじゃないの?』などとも言っていましたが。

そして、ホテル客室に置いてある無料観光誌にも、やはり彼らが登場。

 
う〜ん、ヘルシンキ・フェスティバルのオープニングを飾るとは。これはかなり期待されている模様。つくづく見られないのが惜しい。

そういえば、前回、夫が珍しく冴えた推理(と身内では評判だったらしい)を披露した例の誤植。今回の観光誌ではしっかり直ってました。

2ヶ月前
今回
残念。
(つづく)
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